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月別アーカイブ: 2026年6月
音楽生成AI 急速に普及
生成AIを用いた音楽制作サービスによって、最短3分程度で作曲することが可能になった。プロの音楽家もAIを創作支援や作業効率化に利用する一方、雇用喪失への懸念も強い。著作権問題では、音楽大手3社が当初AI企業を提訴したが、後にライセンス契約を結び協業へ転換した。音楽業界では、AI活用による利便性向上と権利保護の両立が大きな課題となっている。 2026/06/10 日本経済新聞
声をAIで無断生成 検討会で議論
法務省の有識者検討会で、生成AIによる肖像や声の無断利用に関する民法上の責任が議論された。出席した声優らは、勝手に声を生成される恐怖やコンテンツ産業保護の観点から法解釈の明確化を訴えた。検討会では、声の類似性やキャラクターのイメージなどを判断材料とし、簡単に本人の声を生成できるAIの提供行為はパブリシティ権の侵害に当たり得るとの見解で一致した。 2026/05/29 讀賣新聞
米ハリウッド AIとの共存へ
米映画業界で、動画生成や編集の技術が実用レベルに達したAIを積極的に活用し、共存する動きが目立っている。かつてハリウッドはストライキで対抗したが、アマゾンが低コストのAI開発を推進し、個人の映画製作も容易になるなど技術が進化した。すでにカンヌで見本市が上映されるなど、AIと戦うより共存を探る方が価値があるとの意見も出ている。権利者に還元する仕組みなどの対応も進み、新たな方向転換期を迎えている。 2026/06/01 日本経済新聞
レアアース磁石を回収、再利用する自己循環リサイクル開始
三菱電機株式会社は廃棄された家庭用空調製品からレアアース磁石を回収、再資源化し、新しい家庭用空調製品へさし利用する自己循環リサイクルを国内で初めて開始した。 希少資源であるレアアースはその希少性や環境負荷の観点から再利用などの資源循環の仕組みづくりが求められている。しかし、製品から分解する難しさやコストなどの要因で回収率が低い水準であった。しかし、複数の企業と協同し、分解、生成、再利用を一貫して行うことで円滑な循環と効率化を実現している。 2026/06/03 日経速報ニュース
Microsoft、パソコン業務自動化サービス提供へ
米マイクロソフトは2日、日程調整や、資料作成など幅広いパソコン作業を自動化する人工知能の企業向け提供を始めると発表した。同社はAIがまるで同僚のように働く近未来を示した。自動でパソコンを操作するAI「Open Claw」を基盤に採用され、他のマイクロソフトのサービスと連携して作業ができる。一方で懸念されているセキュリティーは改善され、さらに利用者はAIの作業権限、自動化の範囲などを管理することができる。 2026/06/03 日経速報ニュース
AI仮想顧客による市場調査の効率化
電通と博報堂DYホールディングスは、過去の消費者調査や購買データをもとにAIで「仮想顧客」を生成し、商品開発やマーケティング調査に活用している。仮想顧客には年齢や家族構成、趣味、価値観などが設定され、対話を通じて市場の反応を予測できる。富裕層やニッチ層など実際には調査が難しい対象にも対応でき、時間やコストの削減につながる。さらに、深層心理や購買動機の分析も容易になり、広告や商品企画の精度向上が期待されている。一方で、データ不足による回答のずれなど課題も残されている。 2026/05/29 日本経済新聞 朝刊
NII、画像対応の国産AIモデルを一般提供へ
国立情報学研究所(NII)は2026年7月にも、画像を理解できる国産AI「視覚言語モデル(VLM)」の一般提供を開始する。日本語に強い基盤モデル「LLM-jp-4」に画像データを学習させ、日本の文化や文脈を理解できる点が特徴である。研究グループは約920万件の日本語学習データを用意し、画像と文章を組み合わせて学習させた。利用者は追加学習により特定分野向けのAIを開発でき、研究データの整理や分析、論文作成などへの活用が期待される。NIIは技術を公開し、透明性の確保も目指している。 2026/06/02 日本経済新聞 朝刊
AIによるパラダイムシフトと人材育成に関する考察 論文まとめ
AIに代表されるテクノロジーの進歩は、従来の産業構造や雇用、労働環境に劇的な変化をもたらしている。これまでの産業革命でも多くの職業が消失したが、同時に新たな職業も創出されてきた。しかし、第四次産業革命がもたらす変革は人が不要になるという、従来とは質的に異なる懸念をはらんでいる。本研究は、こうした環境変化に際し、高等教育や企業における次世代の人材育成制度をどのように再設計すべきかを提言することを目的としている。 本論文では、AIが労働に与える影響について5つの主要なレポートを基に検証している。 1 野村総合研究所(2015年): 2025〜2035年には日本の労働人口の約49%がAIやロボット等で代替可能になると推計。データ分析や体系的操作を行う職業は代替されやすく、他者との協調や交渉、サービス志向性が求められる職業は代替が難しいとした。 2 Arntz et al.(2016年): タスク構成に着目した分析により、自動化される仕事はOECD全体で9%に過ぎないと推計し、失業よりも潜在的な格差や職業訓練への注目の必要性を指摘した。 3 経済産業省(2017年): 変革への対応の有無で2030年の就業者数減少幅に大きな差が生じると試算し、人材育成の必要性を論じた。 4 厚生労働省(2017年): 能力開発機会の早期提供の必要性や、新価値創出のためのAI活用の重要性を提示した。 5 総務省(2017年): ルーティンタスクの多い非正規雇用者が影響を受けやすいと指摘し、創出される雇用への適応のための教育が重要であると結論づけた。 新井は、AIが理解できない領域は意味論であり、その根本にある読解力こそがAIに対する優位性になると分析した。また、田坂は知的労働の能力を分類し、AIの強みによって置き換わる能力(集中力、論理的思考力、知識習得力、記憶力)に対し、置き換わらない能力として直観的判断力、対人的能力(コミュニケーション・ホスピタリティ)、組織的能力(マネジメント・リーダーシップ)」の3つを挙げ、これらを高める重要性を主張している。総じて、AIが不得意とするのは非言語的なコミュニケーション力であり、より高度な対人スキルが必須となる。 AI時代において、高度なコミュニケーション力を身に付ける鍵としてリベラルアーツが注目される。リベラルアーツとは単なる科目ではなく、物事の本質を批判的に考える力と、それを表現する力、すなわちEQを高める学びである。本研究は、これまで不連続であった高等教育での学びと企業が求める人材育成を繋ぎ、AIとの対比においてリベラルアーツの必要性を論じた点に学術的、実務的貢献がある。今後は、具体的な育成モデルの構築や海外事例の調査が課題として残されている。
ゲーム前後での変化
この論文では、携帯ゲーム機(PSP)を使って、短い時間のゲームプレイが人間の生理面や心理面にどんな影響を与えるかを、ゲームの習熟(慣れ)やプレイ内容に踏み込んで実験・検証している。実験では大学・大学院生10名を対象に、心理指標として気分を測定する「POMS」という調査を行い、生理指標としてはリラックスや緊張状態を測る「皮膚電位」や、ストレス状態を反映する唾液中の「アミラーゼ分泌」を測定している。使用されたゲームは5種類。 実験の結果、非常に面白いデータがいくつか得られている。まず、パズルゲームの実験では、ゲームに慣れる(習熟する)前はプレイ後にストレス指標であるアミラーゼ活性値が上がってしまっていたのに対し、ゲームに慣れた後ではプレイ終了3分後にその数値が大きく減少することが分かった。また、気分プロフィールの調査でも、ゲームに慣れた後のほうが抑鬱・怒り・疲労といったネガティブな気分が減少し、代わりに活気が上昇するという、ポジティブな気分の変化がより顕著に現れることが示されている。 さらに、個別の被験者の皮膚電位のデータを見ると、ゲームの腕前(スコア)が非常に良く、より集中してプレイできた状態(ゲームに慣れた後)では、脳の覚醒水準が高く保たれる一方で、イライラなどの情動反応の出現頻度は低くなることが確認された。一方で、操作性が非常に悪いと感じてしまったゲームのプレイにおいては、逆に抑鬱・怒り・疲労・混乱が上昇し、アミラーゼ活性値も上がってしまうという結果も出ている。ただし、このゲームであっても、操作に慣れてゲームに対して愛着を持った被験者に限っては、アミラーゼの上昇(ストレス反応)は見られなかった。 これらの結果から、この研究ではテレビゲームは生体の生理・心理的な変化を促す影響源になりうること、その変化の方向性はゲームソフトの種類やプレイヤーの嗜好・プレイ内容に左右されること、ゲームに慣れる(習熟する)ことで、気分の変化がより積極的でポジティブなものになることなどを結論づけている。今後は、こうした気分の変化を「ゲームの効能」として捉え、気分や体調に合わせたゲームの評価方法へと応用していくことを目指している。 「テレビゲームの与える生理・心理的影響」 加藤 亮, 河合 隆史, 二瓶 健次, 佐藤 正, 山形 仁, 山崎 隆 2006 年 42 巻 Supplement 号 p. 204-205