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教育改革の先に目指すべきもの
政府は2006年に教育基本法を改正し、愛国心よりも教育の主体が国民であるという原則が蔑ろにされてしまった。公立の小中高は税金で運営され、国民に教育の機会均等を保障するはずのものであるべきだが、さまざまな部分で機能不全を起こしたまま放置されているのが現状だ。教育改革の根本は政府の規制で縛られている教育に自由を取り戻し、公教育への信頼を取り戻すことでなければならない。目先の問題にだけ囚われており政府は改革を通じて目指すべきものが見えていない。教育改革で大事なことは高校卒業時点でほとんどの生徒が一定基準の共通学力を身につけられることを保証することと、これらの目標を達成するために文部科学省の権限を第三者機関と現場に移すことだ。 日本経済新聞 2007/1/14
学校経営における重要なこと
学校経営において重要なことは2つある。一つは「当事者意識」である。その欠如は組織にとって最大の問題であり、うまくいかないことを誰かの責任にするなどの状態では迅速な課題解決は難しくなる。当事者意識を高めるには透明性と情報公開が大切だ。二つ目は対話による最上位目標の明確化だ。教員は対話に慣れておらず、問題が起こると様々な立場から解決策が提示され、その衝突によって解決が遅れるということがしばしばある。こういったことを防ぐには上位目標を共有し、実現する手段に焦点を絞って合意を積み重ねていくことが有効だ。学びとは本来、主体的なものだが日本の教育は学力向上ばかりを唱え、結果として学習時間は伸びたが、最も大切な主体性・自律性を奪ってしまっている。 日本経済新聞 2020/5/18
2章と3章(仮)
2章「リキッド消費の特性」 リキッド消費とは、2017年にマーケティング学者であるBardhi and Eckhartの論文で示された概念であり、社会学者であるBaumanのリキッド・モダニティ論から着想を得たものとされている。端的には「短命性、アクセスベース、脱物質的」という3つの性質を持つ消費のことである。 短命性とは、我々消費者の価値観が流動的になった結果、社会構造そのものが変化する速度が早まったり、技術革新などの要因によって製品ライフサイクルが短くなったりすることで、消費者と消費対象との関係性や、それらから得られる価値が、一時的で持続せず、特定の文脈で固有となる、という性質のことである。 アクセスベースとは、消費者がレンタルやシェアなどの方法で消費対象を利用し、取引の後でも対象の所有権の移転は行われない、という性質のことを表す。あくまで消費者は一時的な利用者に過ぎない。 脱物質的とは、同じレベルの機能を得るのに、より少ない物質を使うこと、もしくは全く物質を使わない、という性質のことを表す。これには情報製品やサービス、経験の消費も含まれている。 また、リキッド消費が選好される時の特徴も存在する。対象の製品およびサービスについて、自己関連性が低い場合。SNSでの投稿やアフィリエイトなど、打算的で商品化された社会関係を持つ場合。状況的に、モビリティ・システムが充実しており、移動手段などに簡単にアクセス出来る場合。偶発性に左右されるクリエイティブ産業などに従事する人の場合。以上の場合、従来のような所有ベースの消費ではなく、アクセスベースのリキッド消費が選ばれるとされている。 数々のリキッド消費に関する議論において、一側面が強調されたり、解釈に幅はあったりするものの、基本的な性質は以上のようなものである。 3章「研究目的および先行研究の整理」 研究目的と背景 前章までは、近年世界的に広がりを見せているリキッド消費に関しての紹介と説明を行ってきたが、ここで本論文の目的と、その背景について説明する。 昨今、「推し活」や「ぬい活」というワードが社会の中でも大きな話題となっている。かつてはそう一般的に知られるような概念ではなかったかもしれないが、どちらも近年の新語・流行語大賞としてノミネートされ認知されるなど、若年層を中心とした社会に浸透していると考えて相違ないだろう。公的機関の調査結果こそ出ていないものの、民間の調査機関によれば、2021年の「推し活」の市場規模は約7000億円と推定されていたのが、2025年3月時点での市場規模は約3.8兆円に達すると推計されており、推し活を行う人口そのものはもちろん、これに着目する組織や製品・サービスも増加傾向にあると見受けられる。 推し活の内容はコンテンツビジネスに限定したとしても多岐に渡るが、その中でも直近で話題になっている「ぬい活」は、リキッド消費が広まる現代社会の中にあって、それとは対照的な、いわゆるソリッド消費に明確に分類される消費形態であると考えられる。一方で、ライブや聖地巡礼、イベント参加など、どちらかと言えばリキッド消費の側面を持つような推し活の存在も無論根強い。 つまるところ、推し活というのはスペクトラムの対極に位置する概念であるリキッド消費とソリッド消費が、同じ瞬間に成立・もしくはその狭間にあるような消費が行われている文化なのである。 そこから、今後のコンテンツおよびキャラクタービジネスにおけるソリッド消費の再評価傾向や、リキッド消費とソリッド消費の側面を併せ持つ、より特殊な消費形態についても考察しつつ、今後パブリッシャーはどのように消費者のことを捉え、どのようなモノを商品として提供していくべきなのか、具体的に提案したいと考えている。
四章
第四章 日本のIR導入に向けた新たな方向性 パチンコ文化と地域型小規模IRの可能性 4-1 日本型IRに必要な視点の転換 これまで日本のIR政策は、シンガポールやマカオのような大規模・観光主導型のモデルを前提に議論されてきた。しかし第三章で整理したとおり、大規模IRは巨額投資の集中、地域格差の拡大、都市偏重、依存症対策の難しさなど、多層的な課題を抱えている。また、日本は人口構造、観光資源、福祉制度、娯楽習慣などが諸外国と大きく異なるため、海外モデルをそのまま適用すれば同等の成果が得られるとは限らない。 このため、日本のIR政策には、海外の成功例の「部分的模倣」ではなく、日本の文化・生活様式・地域構造に即した“日本独自のIRモデル”を再設計する視点が求められる。 4-2 パチンコ産業にみる地域密着型娯楽の価値 日本で長く定着してきたパチンコ産業は、娯楽としての歴史を持つだけでなく、地域経済の一部として発展してきた点に特徴がある。近年では飲食店、カフェ、フィットネス、キッズスペース、温浴施設、さらには地域イベントの開催などを組み込み、小規模な複合施設(ミニIR)のような形式を自然に生み出してきた。 これらの施設は地域住民の日常生活に根づき、巨大IRとは異なる「生活密着型娯楽空間」として定着している。また、パチンコ産業は依存症対策や年齢確認、遊技機の認定制度など、厳格な管理体制を長年維持してきた。これらの蓄積は、IR運営の健全性確保に応用可能な重要な資源である。 つまりパチンコは、日本における“地域型IR”の雛形ともいえる存在であり、これを活かした政策設計は日本型IRの社会的受容性を大きく高めると考えられる。 4-3 インディアンカジノが示す地域主体型モデルの意義 アメリカのインディアンカジノは、大規模観光施設ではないが、地域社会の収入確保、雇用創出、福祉充実に大きく貢献してきた事例として注目される。部族が主権を持って運営するため、収益は地域内で循環し、教育・医療・社会インフラへの再投資によって生活改善に直結する。 このモデルの重要点は、「小規模でも、地域と一体になれば持続的発展は可能である」という点であり、日本の地方都市が抱える課題と強い親和性を持つ。人口減少や財政難に直面する日本の多くの自治体にとって、地域主体の小規模IRは現実的かつ効果的な選択肢となり得る。 4-4 日本型“地域密着・小規模IR”という新しい方向性 パチンコの複合施設化とインディアンカジノの地域主体性を統合すれば、日本には“地域密着型の小規模IR”という、新しい政策の可能性が生まれる。 このモデルでは、カジノはあくまで施設の一部に過ぎず、中心となるのは飲食、温浴、イベントスペース、地域産品の販売、eスポーツ、ライブステージ、観光案内など、地域需要に応じた多機能施設である。 大規模IRとは異なり、地域住民が日常的に利用し、観光客と住民が共存する“生活型リゾート”として機能する点が特徴である。 また、既存のパチンコホールを段階的に小規模IRへ転換することで、初期投資を抑えつつ新しい産業構造を構築できる。これは日本にとって極めて現実的な導入プロセスである。 4-5 社会的受容性を高めるための条件 IRはギャンブルを含む以上、社会的受容性は不可欠である。パチンコの歴史が示すように、地域と密接に結びついた娯楽施設は住民の理解を得やすく、運営主体と地域の距離も近いため、依存症対策や安全対策を丁寧に実施できる。 さらに、インディアンカジノのように、収益の一部を地域福祉・医療・教育へ還元する仕組みを制度として組み込めば、住民にとって「IRが地域を支える存在」であるという認識が生まれる。この仕組みは、特に財政難に悩む地方自治体にとって大きな価値を持つ。 4-6 大規模IRと小規模IRの“両立”が日本の未来を広げる 日本のIR論は、これまで「夢洲のような大規模観光IRを作るか否か」という“二択”に近い構図に陥ってきた。しかし実際には、大規模IRと小規模IRは対立概念ではなく、目的と地域性に応じて使い分けるべき複数の政策メニューである。 大規模IRは、国際会議(MICE)や外資誘致、高度な観光開発に効果を発揮する。一方、小規模IRは、地域生活に寄り添い、地元経済の持続的活性化に強みを持つ。 日本の地域構造を考えるなら、全国すべてが大規模IRを受け入れられるわけではない。むしろ、多くの地方都市では、小規模IRのほうが現実性・安全性・収益分散の点で適合すると考えられる。 したがって、日本のIR政策は今後、「大規模IRの整備」と「小規模IRの制度化」を両軸として進めるべきである。これにより、都市と地方がそれぞれの特性に応じた形でIR事業を取り入れ、全国的な経済効果と地域福祉の向上を同時に達成する道が開ける。
三章
第三章 現代における統合型リゾート(IR)の構造的問題点と制度分析 本章では、世界および日本の統合型リゾート(IR)をめぐる運営実態と制度設計を多角的に検討し、その構造的課題を明らかにする。IRは観光振興や都市再生を目的とした大型政策として各国で導入されてきたが、その経済効果や社会的影響に関しては学術研究でも見解が分かれ、政策評価が難しい領域である。特に、依存症対策・地域波及効果・制度の硬直性などをめぐる問題は、国内外の事例研究で繰り返し指摘されており、これらを踏まえた批判的検討が不可欠である。本章では、既存研究および主要事例に基づき、IRの抱える課題を体系的に整理する。 1.経済効果に関する予測の過大評価と外部不経済の顕在化 IR導入の議論では、初期投資額、雇用創出数、観光客数など、いわゆる「計量的効果」が強調される傾向がある。しかし、各国の実証研究では、これらの事前予測が構造的に過大となる傾向が示されている。理由として、投資回収を前提とする事業者の経済モデルが楽観的前提に依存しがちであること、地域外からの新規消費よりも既存観光需要の置き換えが起こるケースが多いことなどが挙げられる。とりわけ、IR内部で消費が完結する「囲い込み型モデル」が主流である地域では、地域商店街との競争関係が生じ、長期的な外部流出が拡大することが確認されている。 また、IR導入に伴い発生する外部不経済は、事前の経済モデルに十分反映されない傾向がある。依存症の増加、交通負荷、行政コストの増加などは、短期的には顕在化しないが、長期的に地域社会に累積的影響を与える。これらの外部不経済は、IRの経済効果を大きく押し下げる可能性があり、経済評価において不可避の論点である。 2.産業構造の集中化と地域配分の不均衡 IRは高度に資本集約的産業であり、事業者が寡占化しやすいという産業構造上の特徴がある。世界のIR市場では、複数の大手企業が市場の大半を占め、地方自治体や地元企業は交渉力の面で不利な位置に置かれる。この構造は、地域経済への利益配分が限定される原因となる。 さらに、雇用構造をみても、高付加価値の管理職・専門職は外部人材が占める割合が高く、地域住民の雇用は低賃金セクターに集中する傾向が指摘されている。各国の実証研究では、IRが地域の中間層拡大に資するという証拠は限定的であり、長期的には所得格差の固定化や地価高騰による住環境悪化を招く恐れがある。 地域経済の観点からみると、IRの波及効果は制度設計に大きく左右され、必ずしも自動的に地域振興につながるわけではないことが明らかである。 3.依存症対策の限界と社会的負担の増大 ギャンブル依存症はIR政策における最重要課題の一つであり、世界的に研究蓄積が進んでいる分野である。多くの研究で、カジノ施設のアクセス向上が依存症の発症率を高める要因となることが示されている。こうした依存症リスクは家族関係、教育、雇用、治療など複数の領域に影響を及ぼし、累積的な社会的コストとなって公共部門に負担を生じさせる。 各国が導入している自己排除制度や入場制限は一定の効果を持つが、依存症医療体制、早期介入プログラム、生活再建支援など、包括的な支援体制と連動しなければ十分な効果は得られない。特に日本では、依存症対策の制度的枠組みが遊技産業とカジノ産業に分離しており、統合的な対策モデルが確立されていない点が課題となる。 4.都市計画との整合性不足と地域社会の分断リスク IRは大規模開発を伴うため、都市計画や地域コミュニティとの調整が不可欠である。成功例として言及されるシンガポールの都市再開発は、国家主導型で都市・観光戦略と一体化していた点に特徴がある。しかし他地域では、地価高騰、交通渋滞、地域住民の居住環境悪化などの問題が顕在化し、住民間の対立を引き起こすケースが多い。 日本の場合、IR整備地区が限定されていることは地域間の対立を抑制する側面がある一方、都市計画との連携が必ずしも十分ではない。特に大阪IRのケースでは、将来の交通インフラ整備や災害リスク、土地利用の一極集中が議論の的となっており、IRが都市政策全体の中でどのような位置づけにあるのかが明確でないという批判も存在する。 5.日本の制度的課題:政策目的の多重化と規制の硬直性 日本のIR政策が抱える最大の課題は、政策目的が多重化し、制度の一貫性が弱いことである。観光振興、国際ビジネス拠点の形成、カジノ規制の厳格化、依存症対策、地域再生など、複数の政策目的が統合されているため、事業者に求められる要件が複雑化している。この構造は政策混合の典型例であり、制度運用を難しくする要因となる。 さらに、日本の制度は刑法の賭博規制との整合性を確保する必要があるため、規制の柔軟性が制約される。IR事業者からすると、これらの規制環境は投資に対する不確実性を高め、国際的競争力を損なう可能性がある。 また、遊技産業との制度的距離が大きいことも特徴である。パチンコ産業は独自の歴史と文化を持つが、法律上はあくまで「遊技」であり、IRの「賭博産業」との制度的接続は曖昧である。この曖昧性は、将来の国内市場の構造変化に影響を与える可能性があり、日本独自の制度的課題として注視すべきである。 本章では、IRの経済・社会・制度に関する主要な問題点を整理した。これらの問題は、単にIRの是非に関わるものではなく、政策設計や地域社会との関係構築において不可避の検討事項である。 特に日本においては、遊技産業との制度的接続の不明確さ、規制環境の硬直性、政策目的の多重化など、独自の構造的課題が存在しており、IRを単純に海外モデルとして導入するだけでは不十分である。これらの問題を踏まえ、次章では日本にとって適切なIRの方向性を、遊技文化を含めたより広い視座から検討する。
大韓航空、親族対立が激化
大韓航空の持株会社・韓進KALの株主総会で、趙源泰(チョ・ウォンテ)会長の取締役再任が、姉の趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏ら「株主連合」の退陣要求を退けて57%の賛成で辛勝した。株主連合は疑惑追及で揺さぶったが支持は広がらず、主要株主も現経営を支持。しかし、連合は株を買い増しており、次回総会で経営権争いが激化する見通し。大韓航空は業績悪化とコロナ禍で苦境にあり、財閥の親族争いが企業リスクとなっている。 2025年 12月10日 日経
韓国財閥で創業家3世のスピード昇進が相次ぐ
韓国の財閥系企業で、創業家3世のスピード昇進が相次いでいる。ロッテや農心、サムスン、韓進などで30~40代前半の創業家3世が専務・副社長級に抜擢され、入社数年で役員となる例も多い。多くは未来事業を担当するポストに就くが、企業内からは「成果が本当に彼らの実績なのか疑問」と不公平感を指摘する声も出ている。 2025年 12月3日 中央日報
AI時代の創作はディレクター能力が鍵に
SF作家・葦沢かもめ氏は、AIに与える大量のプロンプトを作り込み、あらすじや人物設定もAIとの「壁打ち」で固めることで、執筆速度を大幅に向上させている。生成文は70点程度のため編集は欠かせないが、同時に多数の作品を試作できるようになった。映像作家Takka氏もAIを駆使して短納期案件をこなし、収入が本業を上回ることもある。AI普及により誰もが創作できる一方、創意を引き出すためには、クリエーターやビジネス人材にもAIを指揮する「ディレクター力」が求められている。 25.12.09 日経
日本の医療機関に働きやすさ認定制度導入へ
厚生労働省は、AI活用やICT機器導入などで業務効率化と職場環境改善に積極的な医療機関を認定する新制度を2026年の国会提出に向けて準備している。高齢化で医療・福祉分野の人材需要が増す中、生産性向上により必要人員を抑える狙いがある。認定病院は働きやすさを発信し採用にも生かせる。財政支援の拡大や医療法・健康保険法の改正も検討し、業務効率化を医療機関の新たな責務とする方針だ。 25.12.10 日経