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作成者別アーカイブ: 新納 妃乃
止まらない気候変動 CO2除去を新たな産業に
国連環境計画(UNEP)は、世界の平均気温が産業革命前より1.5度を超える「オーバーシュート期」に入り、生態系の損失や災害の激甚化が進むと警告した。日本では、堤防・排水設備の強化、災害リスクの高い地域からの計画的移転、企業の事業継続計画の見直しが課題となる。また、直接空気回収(DAC)などのCO₂除去技術の研究開発や産業化も重要とされている。 2026/10/23 日本経済新聞
廃プラ トマト温室燃料に
分別が難しく、焼却や埋め立てが主流だった複合プラスチックを再生し、農業用温室の加温燃料として活用する実証実験が三重県で始まった。湿度で野菜を育てる栽培技術と組み合わせ、トマトの栽培を確認している。再生燃料は電気と比べてエネルギーコストを最大8分の1に抑えられると試算されている。今後は2028年度の事業化を目指し、廃プラスチックの再利用による廃棄物削減と資源循環型の仕組みの構築を進める。 2026/10/16 日本経済新聞
中国軍 ラオスに訓練施設
中国とラオスは9月、ビエンチャン近郊に共同訓練施設を設立し、ラオス軍のパイロット育成などを進める。中国軍が東南アジアに合同訓練施設を設けるのはカンボジアに続き2例目だ。中国はベトナムやシンガポールなどとも軍事協力を強化している。南シナ海でフィリピンとの対立が続く中、東南アジア諸国との連携を深め、地域での軍事的影響力を拡大する狙いがあるとみられる。2026/10/08 日本経済新聞
ミャンマー都市開発 政権等のリスクも
ミャンマーでは、2021年の政変で中断した大型不動産開発の再建が模索されている。最大事業の「ヨマ・セントラル」では、三菱商事や三菱地所などの外資勢が撤退し、地元財閥が事業再開を目指す。通貨下落や治安悪化を背景に不動産需要は高まる一方、国軍の影響や欧米の制裁、資材不足などが投資リスクとなっている。日本勢の撤退で中国や韓国企業の参入余地が広がるが、大規模開発の実現にはなお課題が残る。 2026/10/14 日本経済新聞
AIで衣料品再生 人員削減へ
コニカミノルタは、ハイパースペクトルカメラとAIを組み合わせ、衣料品の素材を自動識別するリサイクル検査システムをイタリアのタイツメーカーに導入した。同社は年間2億本超のタイツを販売し、一部を回収してリサイクルしている。新システムで分別を自動化し、検査人員を132人から12人に削減できるという。EUの規制強化に対応し、再生材料の増加を目指す。 2026/10/07 日本経済新聞朝刊
経済産業省 廃棄物の化学物質を追跡システム整備へ
経済産業省は、廃棄物に含まれる化学物質がリサイクルを通じてどの程度再利用されているかを追跡する仕組みを整備する。まず自動車や家電を対象に、回収・解体・選別・再生業者とメーカーの情報を連携させ、再生材の利用状況を把握する。背景には、再生プラスチックの利用を義務付けるEUの規制強化がある。経産省は「ウラノス・エコシステム」を活用し、将来は衣類などにも対象を広げる。 2026/10/07 日本経済新聞朝刊
書評
『2040年アパレルの未来』福田稔 本書の目的は、アパレル業界を切り口として、これからの消費社会や企業のビジネスモデルがどのように変化していくのかを明らかにすることである。特に、人口減少や市場の成熟、気候変動、サステナビリティへの意識の高まりなどによって、「大量に作って大量に売る」という従来型のアパレル産業が限界を迎えるなか、2040年に企業が生き残るためには何が必要なのかを論じている。 著者自身も、本書について「アパレルという題材を切り口に、資本主義と消費社会のいまと未来を捉え」ることを目的としていると説明している。 研究方法としては、大学の学術研究のような実験やアンケート調査を中心とするのではなく、アパレル市場の統計データ、社会・経済の動向、企業の事例、環境問題に関する情報などを幅広く分析し、そこから将来を予測する方法がとられている。特に、スパイバー、PANGAIA、ナイキ、On、EON×Chloé、Coachtopia、CFCLなど、実際に新しい取り組みを行っている企業を具体例として取り上げている点が特徴である。 第1章 世界のアパレル市場を激変させた「3つの変化」 第1章では、アパレル市場で起きている三つの大きな変化として、①「多くつくり、多く売る」時代の終焉、②中古品市場の拡大、③ウェルネス関連市場の拡大を挙げている。世界のアパレル市場は成熟し、今後は大きな市場成長が期待しにくくなる。その一方で、フリマアプリなどによって中古品を購入することへの抵抗感が低下し、リユース市場が急成長している。また、消費者の価値観も、単に服を所有することから、健康や幸福を含めた豊かな生活そのものへと移っている。 著者は市場について「『多くつくり、多く売る』という時代の終焉」と表現している。実際、本書では世界のアパレル市場が2019年約248兆円から2027年約255兆円と、年平均成長率わずか0.3%程度にとどまるとの見通しが示されている。 第2章 サステナビリティ問題の本質 第2章では、アパレル産業が環境に与える負荷を取り上げる。衣服は原材料の生産、製造、輸送、販売、使用、廃棄という長い過程を経るため、各段階で環境負荷が発生する。そこで、CO₂排出量を正確に把握するLCA(ライフサイクルアセスメント)や、商品の生産履歴を追跡するトレーサビリティなどが重要になる。 単に「環境に優しい」と宣伝するだけではなく、実際の環境負荷を測定し、情報を開示することが企業に求められる。これは第3章のグリーンウォッシュ問題にもつながっていく。第2章は、本書全体の中心テーマである「循環型・再生型ビジネス」の必要性を示す章だといえる。 第3章 2040年に向けた「8つの事業環境変化」 第3章では、2040年までにアパレル業界を取り巻く環境がどのように変化するのかを予測している。特に、大手企業への市場集中と中堅企業の淘汰、グリーンウォッシュ問題、メタバース、生成AI、サーキュラーエコノミー、サブスクリプション、ライフスタイルブランドなどが重要なテーマとなる。 つまり、これからのアパレル企業は、単に服を製造・販売する企業ではなく、デジタル技術や環境問題、健康、ライフスタイルなどを組み合わせた存在へ変化していく必要がある。市場が成熟するほど、企業間の競争は「どれだけ大量に売れるか」だけではなく、「どのような価値を提供できるか」に移っていくと考えられる。 第4章 アパレル業界に必要な「6つのイノベーション」 第4章では、実際に産業を変革するための具体的な方法が示される。中心となるのは、素材、生産工程、循環性、トレーサビリティ、アップサイクルなどのイノベーションである。 例えば、環境負荷が低く生分解可能な素材の開発、生産工程の短縮、使用済み衣料を再び資源として利用する仕組みなどが挙げられる。また、スパイバーの新素材やナイキの「ナイキ フォワード」、Coachtopiaの循環型ビジネスなど、すでに変革を始めている企業の事例も紹介される。 第5章 日本企業は何をすべきか 第5章では、それまでの議論を日本企業の問題へと結びつけている。日本企業は人口減少や国内市場の成熟という問題を抱えているため、従来の大量生産・大量販売だけでは成長しにくい。 そこで、2040年の新しいライフスタイルを提案できる企業、環境・社会課題を事業そのものに組み込める企業、独自の強みを持つ企業が生き残ると著者は考える。特に「量的な成長」から「循環型・再生型のビジネス」への転換が重要である。 著者の最も重要な主張は、「成長なき世界」を前提として、企業の存在意義そのものを変えていかなければならないということである。 これまでのアパレル産業では、「より多くの商品を、より安く、より早く売る」ことが成長の基本だった。しかし、市場が成熟し、環境問題が深刻化した現在、この仕組みをそのまま続けることは難しい。そこで著者が提示するのが「循環型・再生型ビジネス」である。資源を一度使って廃棄するのではなく、リユースやリサイクル、アップサイクルによって循環させる。そして単に環境への悪影響を減らすだけでなく、自然環境を再生する方向まで目指すことが必要だと考えている。 また、企業にとってサステナビリティは「社会貢献」という付加的な活動ではなく、将来の競争力そのものになると考えている。この点が、本書を単なる環境問題の本ではなく、経営戦略の本として読める理由である。 本書を読んで疑問に感じたのは、「環境に配慮した商品を提供するだけで、本当に大量生産・大量消費そのものを変えられるのか」という点である。 確かに、環境負荷の低い素材やリサイクル技術、トレーサビリティなどは重要である。しかし、企業が新しい商品を次々に開発し、それを消費者が購入し続けるという構造が残っている限り、根本的な問題は解決しない可能性がある。 例えば、リサイクル素材を使用していても、消費者が「環境に優しいから」という理由で以前より多くの服を買えば、結果的に消費量が増えてしまう可能性がある。また、サステナビリティを企業の競争力として捉えることには限界もある。環境への配慮を「売上を伸ばすための手段」として利用するだけでは、本当の意味での価値観の転換にはならないからである。 したがって、本書の議論をさらに進めるなら、「企業はどう変わるべきか」だけでなく、「消費者はどの程度まで消費そのものを減らすべきなのか」という問題についても、より深く考える必要があると思う。 結論 『2040年アパレルの未来』は、アパレル業界の未来を予測するだけでなく、私たちが「服を買う」という日常的な行動を通して、これからの社会のあり方を考えさせる本である。 本書が示す未来では、アパレル市場の成長そのものよりも、環境負荷を抑えながら価値を生み出すことが重要になる。そのために、素材、生産工程、リサイクル、トレーサビリティなどの技術革新だけでなく、企業のビジネスモデルや消費者の価値観も変わる必要がある。 特に印象的なのは、本書の結論にあたる「私たちの『いまの選択』が、地球の未来を決める」という考え方である。 私はこの本の価値は、2040年という遠い未来を予測することだけではなく、「未来は企業だけがつくるものではなく、現在の私たち一人ひとりの選択によってつくられる」と気づかせてくれる点にあると考える。アパレル業界に限らず、食品や家電など、あらゆる消費財についても同じ問題を考えることができる。その意味で本書は、ファッション業界の関係者だけでなく、日常的に服を購入するすべての消費者にとって読む価値のある一冊である。
合宿 本
1.『ファストファッション クローゼットの中の憂鬱』エリザベス・L・クライン 2. 『2040年アパレルの未来』福田 稔 ☑️ 3.『サスティナブル・ファッション ありうるかもしれない未来』水野大二郎
ミャンマー ASEAN復帰は先送り
ASEANは21日にマニラで外相会議を開き、ミャンマーの本格的な公式会議復帰について結論を先送りした。加盟国間では、軍政への関与を進める国と慎重姿勢を取る国との意見の隔たりが続いている。共同声明案では、暴力停止などを求める「5項目の合意」の履行を改めて促し、その実施状況を11月の首脳会議で検証する方針を示した。一方、中東情勢についても声明をまとめ、米国とイランの対立再燃に深刻な懸念を示し、関係国に自制を求めた。 2026/07/22 日本経済新聞
日本 エネルギー供給を中心にASEANと連携
日本政府はASEANとの関係強化に向け、エネルギー分野を軸とした協力を進める。100億ドル規模の支援で各国のエネルギー調達や備蓄体制の整備を後押しし、日本の資源確保や供給網の安定につなげる狙いだ。米中対立が深まる中、日本はASEANを重要な連携相手と位置づけ、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想や安全保障協力も推進する。エネルギーと安保の両面で信頼関係を深め、地域の安定と日本の国益の両立を目指している。 2026/07/22 日本経済新聞