月別アーカイブ: 2019年6月

【書評】サブスクリプション・マーケティング モノが売れない時代の顧客とのかかわり方

本書はサブスクリプション型ビジネスを行う様々なB2B企業、B2C企業を実例として取り上げ、その効果的なマーケティングを解説したものである。パッケージ化された商品の販売と違って、サブスクリプションで収益を上げていくには顧客の長期的維持がより重要である。従来のマーケティングのように購入するという判断に導くためのマーケティングではなく、契約後のマーケティングが重要である。著者は本書のpart1~3のなかで、顧客を常に満足させるための「価値の育成」を考察している。  Part1「サブスクリプション・シフト」では、様々な業界でサブスクリプションへの移行が進む中、どのような条項が生まれているのか、そうした変化がマーケティングにどのような影響を及ぼすのかを論じている。伝統的なマーケティングのセールスファネルとは異なる物であり、顧客がより満足いく経験をできる価値の育成について明らかにしている。  Part2「価値育成のための戦略」では、価値育成のためのさまざまな戦略を示している。無料お試しなど、ユーザーを契約者に変えるための価値育成の最初の段階で何をすべきかを述べている。  Part3「戦略の実践」では、part2で述べた戦略の実践法について述べている。契約後のマーケティングをさらに推進するための組織の調整や具体的なマーケティングの進め方について述べている。 シェアリングエコノミーに採用されやすいサブスクリプション方式について知るためにこの本を選んだ。本書の後半は企業がすべき具体的なについて書かれており、あまり参考にはならなかったが、人が本当に求めているのはモノの所有ではなく、利用であることを再認識できた。著者は最後にサブスクリプション・エコノミーで世界は良くなるという楽観的持論を述べている。それはサブスクリプションの成功には顧客のロイヤリティが重要であり、顧客との長期的関係を築いていかなければならず、顧客と価値観を共有しようとする企業が増えていくからだ。倫理的な企業、価値観に基づいて行動する企業が他社よりも優位に立つことができる。そして世界経済が強固になると結論付けている。シェアリングエコノミーによる経済の影響について気になっていたが、顧客にとって、世界全体にとって合理的にはたらくと感じた。シェアリングエコノミーの課題や、負の側面について気になったので調べていきたい。(アン・Hジャンザー著 英治出版 2017 11月)

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靴の足型、3D計測サービス拡大

  アパレルや百貨店が3Dを活用した靴の計測サービスに相次ぎ参入する。ZOZOは24日、自宅でスマートフォンのカメラなどを使って足型を計測できる「ZOZOMAT」の予約を専用サイトで始めた。まずZOZOが計測スーツ「ゾゾスーツ」に似たマットを利用者宅に配布。利用者はマットに足を乗せたうえでスマホの専用アプリを起動する。ZOZOは今後、マットを新聞やチラシなどに掲載するなどして、ネットで予約しなくても計測できるようにするという。三越伊勢丹は3D機器を使い、実店舗で計測するサービスを8月に本格導入する。計測したデータから既製靴やオーダー靴を提案する。既製靴はパンプスを中心に1千種類、オーダー靴は約1万2千通りを用意する。3D機器で計測の時間を短縮するほか、履き心地や靴の使用用途の相談に乗るなど、実店舗の強みを生かしたサービスを展開する。(6/25 日本経済新聞)

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書評『QR決済 キャッシュレスの本命はこれだ』

近頃様々な企業がQR決済サービスに参入を試みている。本書では、その中でも主力サービスを比較し、日本のQR決済サービスがどのように発展するのかということが述べられている。 第1章「財布よさらば 脱現金列島」では、QR決済は企業にとっては手数料の削減と顧客情報の獲得という利点があるが、消費者にとってのメリットは世間にまだあまり認知されていないことを指摘し、ポイントやキャッシュバックサービスを展開し「現金や他の決済サービスよりお得」ということを消費者にもっと認知してもらえればQR決済が広がることに繋がると筆者は述べている。また、筆者はLINE Payの個人間送金のサービスにも注目しており、頻繁に使われるようになれば一定の残高が常にLINE Payに残っていることになるのでリアルの小売店で利用してもらえる可能性も高くなると強調している。 第2章「中国が最先端、脱シリコンバレー時代の到来」では、国中でQR決済が進んでいる中国の事例を紹介している。無人コンビニや飲食店、シェアリングサービスなどでもQR決済は活用されており、人件費の削減や売上を伸ばすことに成功していることが紹介されている。 第3章「識者が語るキャッシュレスの未来像」では、日本のキャッシュレス化の課題点や、日本にQR決済を広めるためには何かしらのイノベーションが必要であることが述べられている。 第4章「QRコードをもっと安全に、開発最前線」では、QRコードの偽装による不正を防ぐための新技術が登場していることが紹介されている。 QR決済に焦点を当てて学びたいと思い本書を選んだが、日本のサービスだけではなく中国のサービスについても詳しく学べた。本書を通して、現金派が多数を占める日本でQR決済を浸透させていくためには、日本なりのイノベーションを起こす必要があることがわかった。また、様々なQR決済サービスが登場しているのは良い面もあるが、消費者は混乱しやすく、企業は多くのQR決済サービスに対応しないといけないという課題に目を向けられた。 吉田琢也 著 日経BP社 発行 2018年

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ICT活用にむけて文科省が工程表示す

  小中学校などでの情報通信技術(ICT)の活用について、文部科学省は25日、2025年度までの工程表を示した。児童生徒1人につき1台、教育用のパソコンやタブレット型端末が利用できる環境を整える。工程表では教育用パソコンの安価品を供給してもらうよう民間に協力を要請し、私物のスマートフォンも学校で使う。これらによって25年度までに「1人1台」を目指す。教育関連のビッグデータも利用して情報化社会で求められる人材を育てる。欧米は教育ビッグデータなどで先行している一方、国内ではICT活用の前提となる環境整備が不十分だ。文科省は「ICTが必要であることを自治体に丁寧に説明し、具体的な方法を提示する」と説明するが、課題は多い。(6/26 日本経済新聞)

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ネット通販の決済を私物で

中古品の即時買い取りアプリ「CASH(キャッシュ)」を運営するバンク(東京・渋谷、光本勇介社長)は所有するバッグや靴をネット通販などの支払費用に充てられる決済サービス「モノ払い」を開発した。利用者は企業のサイトで買う商品を決めた際に決済画面で「モノ払い」を選択し、バッグや靴のブランド情報や写真を送る。このデータに基づいて人工知能(AI)が価格を査定する仕組みだ。第1弾として旅行予約サイト「エアトリ」を運営するエボラブルアジアが決済サービスを導入した。今夏にはアパレル大手のTSIホールディングス傘下、ナノ・ユニバースも導入する予定という。(2019年6月25日 日本経済新聞16頁)

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不正リスク発見にAIが一役

監査の現場では企業の不正リスクを瞬時にあぶり出す人工知能(AI)監査が使われ始めた。会計士が担当企業の経理状況について質問すると、AIが音声で即座に答える。国際会計事務所KPMGが開発中のAI監査システム「クララ」のイメージだ。2023年ごろの本格展開を目指している。「クララ」は24時間リアルタイムで会計不正がないかどうかチェックするとともに、業務報告書にまとめて企業経営者に提供する。AI監査は万能ではなく、会計士による監査品質向上の取り組みが必要なのも事実。だが、AI活用の流れは止まらない。投資家にとって有用な監査結果を導けるよう、知恵を絞る必要がある。 (2019年6月26日 日本経済新聞17頁)

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かんぽ生命不適切な販売

既存契約を解約して顧客に不利な新契約に乗り換えさせるなど、かんぽ生命保険が不適切な販売を高齢の契約者らに繰り返した疑いがあるとわかった。販売を担う郵便局員らの加入件数稼ぎが背景にあるとみられ、金融庁も調査に乗り出した。局内に個人の営業目安値があり、「局員によっては過大だった」と日本郵便関係者。販売件数に応じた手当もあった。郵便局の信用が利用された面もある。かんぽ生命は顧客の納得を確認しているとしたが、金融庁は顧客本位の販売だったのかどうか疑問視している。

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東南アジアのプラごみ問題

東南アジア諸国連合は22日の首脳会議で、深刻化する海洋ゴミ問題に積極的に取り組むと宣言し、23日の議長声明にも盛り込んだ。しかし、先進国から受け入れているゴミへの対処なしには根本的な解決は見通せない。プラごみは最大の受け入れ先であった中国が受け入れを禁じてからインドネシアやマレーシアなどの東南アジアに押し寄せている。健康被害や環境汚染を引き起こしている。輸出元は欧米や日本などの先進国であり、ごみは技術のある先進国の中で処理して欲しいと訴えている。

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実刑者逃走で法整備検討か

窃盗罪などで実刑が確定し、横浜地検が収容しようとした小林誠容疑者が逃走した事件では4カ月に渡って拘束を免れていたことが明らかになった。刑事訴訟法は実刑確定者が収容されていない場合、刑の執行のため検察官が呼びださなければならないとされ、出頭に応じなければ強制的に拘束する2段構えになっている。収容状の効力は身柄の確保に限定され、通信履歴を調べる場合も任意の照会にとどまる。検察事務官は激しく抵抗された場合の逮捕術の訓練を積んでおらず、逃亡者への統一的なマニュアルもないと言う。甲南大の園田寿教授は実刑が確定したのに服役しない場合に刑罰を科す新たな法整備をすべきだと話している。(日本経済新聞6月25日)

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ロボット、AIによる物流作業の効率化

NECはロボットや人工知能などを組み合わせて物流作業の効率化する技術を開発した。ピッキングや検査などの核となる作業を自動化する。NECは棚に圧力センサーを置いて、圧力の変化で正しい商品が決められた個数だけ取り出されたかをリアルタイムで確認できるようにした。又、作業現場で既存の無線通信を活用して協調搬送型ロボットが商品を決めらた場所に運ぶようにした。NECは実用性を重視してこれらの技術を実験中だ。生産から販売に至るサプライチェーン全体を見渡せば物流の効率4から6割向上出来るとみている。(日本経済新聞6月24日)

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