月別アーカイブ: 2024年10月

書評『なぜ日本企業は「グローバル化」でつまずくのか。世界の先進企業に学ぶリーダー育成法』 ドミニク・テュルパン著

日本企業がグローバル化に苦戦しているという話は、ビジネスの現場でよく耳にします。この問題に対して、ドミニク・テュルパンは『なぜ日本企業は「グローバル化」でつまずくのか』で、日本企業が直面する課題を明快に分析し、世界の先進企業におけるリーダー育成法から日本企業が学ぶべき点を提言しています。この本を通して、私は日本企業の「立ちすくみ」の原因と、そこから抜け出すためのヒントを得ました。 新しい世界、立ちすくむ日本 テュルパンはまず、世界中のビジネスがグローバル化とデジタル化によって急速に変わる中で、日本企業がその波に乗り切れていない現実を描いています。日本の企業は、長年の成功モデルに固執し、変化に対応しようとする意識が遅れていると指摘します。確かに、日本企業は技術力や品質で世界的な評価を得ていますが、世界市場での柔軟性や迅速な意思決定に欠けていると感じることが多いです。この章を読むと、グローバルビジネスの荒波の中で、時代に取り残されている感覚を強く受けました。 なぜ日本企業はグローバル化でつまずくのか 続く章では、なぜ日本企業がグローバル化に失敗するのかが詳しく解説されています。特に、意思決定のプロセスが長く、企業文化が上下関係を重んじすぎる点が問題視されています。私はこの部分に特に共感しました。日本企業の多くがまだ「失敗を許さない文化」に縛られているように感じますし、それが新しい挑戦やイノベーションを抑え込んでいるのではないかと思います。テュルパンの分析は、私が普段考えている「もっと早く、柔軟に動けないのか?」という疑問に明快な答えを示してくれました。 先進企業は、どのように人材に投資しているのか テュルパンは、世界の先進企業が人材育成にどれほど真剣に取り組んでいるかを具体的に紹介しています。特に印象に残ったのは、アメリカやヨーロッパの企業が、若手リーダー候補に対して早い段階から大規模なトレーニングやメンタリングを実施している点です。これに対して、日本企業はまだ「経験年数」が重視されすぎており、若手がリーダーシップを発揮する機会が限られていると感じます。この差が、将来的なリーダー層の質に大きな影響を与えているのではないかと考えさせられました。 地球規模で活躍するリーダーに求められる能力 グローバルに活躍するリーダーに必要な能力として、テュルパンは「異文化理解」「柔軟な対応力」「決断力」の重要性を強調しています。この部分は、私自身がリーダーシップについて考える際に非常に参考になりました。特に、グローバルリーダーは「多様性」を強みに変えることが求められるという指摘は、日本企業のリーダーが苦手としている部分だと思います。異なる価値観を持つ人々と協働する際に、いかにその多様性を活かしてチームを強化するかという視点は、グローバルリーダーに欠かせないものだと改めて感じました。 グローバル人材育成のために日本企業ができること 最後の章で、テュルパンは日本企業がグローバル人材を育成するための具体的な提案をいくつか示しています。特に、若手社員に海外での経験を積ませること、柔軟な働き方を導入することの重要性を説いています。これを読むと、日本企業が今すぐにでも取り入れるべき施策がたくさんあるように思えました。リーダーシップを「年功序列」ではなく「能力主義」に基づいて育てる文化を作ることで、グローバル市場での競争力が大きく向上する可能性があります。 結論 『なぜ日本企業は「グローバル化」でつまずくのか』は、日本企業がグローバル化に成功するためのヒントを満載に詰め込んだ一冊です。テュルパンの指摘は、どれも説得力があり、特に日本のビジネスリーダーや人材育成担当者には一読の価値がある内容です。私自身、この本を通じて、日本企業が直面する課題とその解決策をより深く理解することができました。 2012年 『なぜ日本企業は「グローバル化」でつまずくのか』 日本経済新聞社

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「IOT炊飯器」、人気高まる

スマートフォンと連動して使う「IOT炊飯器」が20〜30代のタイムパフォーマンスを重視する若年層に人気となっている。IOT家電は遠隔での操作が可能で、例えばパナソニックのIOT炊飯器であれば、無洗米と水をセットしておけばスマホで計量と炊飯ができる。保温機能は無いが、1時間は温かさをキープできるようだ。急な予定があったら炊飯予約をキャンセル出来たり、準備が楽であったりという点から、人気が生じている。 2024 6/18 日経新聞朝刊22ページ

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日経BPによるトレンド調査

日経BPは「トレンドマップ2023下半期」で、マーケティング、テクノロジー、消費の3分野を分析。経済インパクトと将来性について、専門家らの意見を基にスコアを出した。中でも注目されるのが消費トレンド分野の「タイムパフォーマンス消費」。経済インパクト全体の中で最も前回調査からの伸び率が高く、若年層を中心に出来るだけ短い時間で情報を得る価値観が広まったのが表れた結果だ。マーケティング分野では「リテールメディア」(新広告市場)、テクノロジー分野では「生成AI」などが注目された。 2023 11/28 日経新聞朝刊 12ページ

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地熱発電の仕組みと動向 要約

地熱発電は気候、天候、昼夜問わず安定して供給が可能な再生可能エネルギーのため、設備利用率が、風力20%、太陽光12%に対し70%と突出している。また、エネルギー密度が高く、ライフサイクルCO2排出が非常に少ないエネルギーである。 地熱発電には2種類の方式がある。地下から蒸気と熱水の混合流体を気水分離し、蒸気のみをタービンへ導いて発電するフラッシュ方式と、沸点の低い媒体を熱交換させ、その蒸気でタービンを駆動し、発電するバイナリー方式だ。フラッシュ方式は地熱流体の一部を大気に放出するのに比べ、バイナリー方式は地熱流体のほぼ全てを地下へ還元する。 この5年での設備容量の増加が大きいのは、インドネシア、ニュージーランド、ケニア、トルコだ。国が地熱発電を伸ばすことを明言し、積極的に取り組んでいる。 一方の日本は世界第3位の地熱資源ポテンシャルを有しているが、全世界の地熱発電設備容量12,635MWの約4%を占めるに留まっている。日本の地熱発電所は1966〜1999年の間に多くが建設され、2000年以降は大型の地熱発電所は建設されなかったが、2015年に菅原バイナリー発電所が運転され、山葵沢地熱発電所の建設が進められている。 2000年以降の停滞の背景に、経済性の問題、自然公園法による規制、既存の温泉業者との共存の実現が課題として挙げられていた。 経済性の問題は2012年に施行した「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」により、買取価格が定められ一定の解決が図られた。またエネルギー庁のもと、地熱発電の普及・開発促進のための予算が組まれている。 自然公園法による規制に対して、2015年には2012年に通知されたものを上書きする形で環境省通知が発行され、規制緩和に進んでいる。 既存の温泉事業者、住民からの温泉への影響や地熱発電の安全性に対し、環境省は従来からある温泉資源の保護に関するガイドラインを地熱発電の掘削に適用するために、「温泉資源に関するガイドライン(地熱発電関係)」を2012年に通知した。一方、FITの導入とともに規制緩和が進んだことから、温度が高すぎる温泉や豊富な油量を活用し、温泉発電と呼ばれる小型発電設備が計画されている。

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世界の地熱発電設備の動向 要約

1 この論文はWGC2020+1の各国の論文等の情報を集約してあり、国別・世界全体での発電所数や発電方式を分析してある。その次に各発電ユニットの導入年情報や10年ごとの発電方式の変化、現在の国内メーカーシェアの推定をし、将来展開が考察されている。 2 10基以上の地熱発電ユニットを持つ国について比較している。日本の地熱発電所数は71、ユニット数は82であり、米国の84と176に次いで多い。しかし、日本の平均設備容量はドイツ、中国に次いで小さく、日本(6.707MW)より大きい国はいずれも25MW以上である。中でもインドネシア(190MW)の設備容量は2位のアイスランド(75MW)の2倍以上あり突出している。 設備容量に占めるバイナリー発電の割合については、近年成長著しいトルコが80%、ドイツを代表に2000年以降に地熱開発を始めた非火山国では100%バイナリー発電という国が多い。 国土面積あたりの地熱発電所数については10,000㎢あたりの地熱発電所数は1位が日本(1.88)、2位がイタリア(1.13)3位がアイスランド(0.97)で日本は最も身近に地熱発電所がある状態だ。 3 2020年までに導入された累計の地熱発電設備の容量は世界合計で15,945MW、ユニット数は838である。そのうち稼働中のユニットの設備容量とユニット数はそれぞれ15,067MW、680である。 累計設備容量はシングルフラッシュ発電が40%、バイナリー発電、スチーム発電が約20%ずつであるが、ユニット数ではバイナリー発電が約50%でシングルフラッシュ発電は30%弱となっている。 地熱発電ユニットの導入年代を1990年以前、1991年から2020年を10年ごとに分け発電方式の変遷を調べたところ、ドライスチーム発電とダブルフラッシュ発電はほぼ横ばい、シングルフラッシュ発電は緩やかに増加、バイナリー発電は近年増大している。 発電方式別の新規ユニット数については、バイナリー発電が近年著しい変化を見せている。また1990年当初に主流であったダブルフラッシュ発電、ドライスチーム発電は大きく衰退している。シングルフラッシュ発電は長期的な傾向は不明瞭だが、直近では増加傾向にある。 世界的にドライスチーム発電、ダブルフラッシュ発電が可能な地熱地域の新たな開発候補地は乏しい。そのためより低温でバイナリー発電に適した地域の開発に移行している。 また、1990年代に各国で電力会社民営化等の影響で2000年以降、地熱開発が鈍化した国や地熱がまだ進行していない国もあったため、2001〜2010年は新規設備が少ない。 4 2005〜2015年の間に導入されたタービンに関してフラッシュ発電(ドライスチーム発電含む)の日本メーカーのシェアは81.8%だが、バイナリー発電ではわずか0.2%だ。地熱タービン全体としては50.7%である。 2011〜2020年における日本メーカーのシェアについて、シェアがその後も変わらないと仮定すると、ほぼ40%と推定されている。 バイナリー発電が今後増加していくと考えられるので、バイナリー発電設備の製造を強化しない限り、国内メーカーのシェアは減少し続けることが予想される。

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AI 文献

愛知靖之. (2020). AI 生成物・機械学習と著作権法. パテント, 73(8), 131-146. 栄藤稔. (2023). 生成 AI の発展と新たなコンテンツ経済圏. 情報通信政策研究, 7(1), 25-51. 中川譲, & ナカガワユズル. (2023). 画像生成 AI による作画表現の実用性と教育への応用, その正当性と法的妥当性について. 東京工芸大学芸術学部紀要, 29, 23-29. 野家啓一. (2024). 生成 AI とどう付き合うか. 学術の動向, 29(1), 1_40-1_48.  

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2024年度ゼミ費報告

会計報告   提出書類 ★_ゼミ補助費振込額一覧20 24 _20240820 ゼミ補助費領収書 記入例 ゼミ補助費領収書(ゼミ長がこれに記入してhttps://forms.gle/1puxrvT72eoPzCss5に提出)

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実質賃金3ヶ月ぶりにマイナス、名目賃金は増加。

厚生労働省が発表した8月の毎月勤労統計調査によると、物価変動を除いた実質賃金は前年同月比で0.6%減少し、3カ月ぶりにマイナスとなった。これは賞与の伸びが鈍化し、物価上昇が影響したため。名目賃金は3.0%増加し、特に基本給が3.0%増と31年10カ月ぶりの高い伸びを記録した。フルタイム労働者の賃金は2.7%増、パートタイム労働者は3.9%増で、実質賃金もわずかに改善した。 日本経済新聞 10/8 夕刊 1ページ

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中小企業の倒産が増加、物価上昇が影響。

2024年度上半期の企業倒産件数は10年ぶりに5000件を超え、物価上昇が主な要因となった。特に中小企業ではコスト増加を販売価格に転嫁できず、倒産が増加している。倒産件数は前年同期比18%増の5095件で、建設業や製造業が特に影響を受けた。小規模企業ほど価格転嫁が難しく、倒産が多発。さらに、ゼロゼロ融資の返済負担や金利上昇が倒産リスクを高めている。一方、価格転嫁に成功する企業もあり、業績は二極化している。 日本経済新聞 10/9 朝刊3ページ

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仙台市エリマネ団体、夜間経済活性化のためのイベントを開催

仙台市の一般社団法人定禅寺通エリアマネジメントは、市内の夜間経済を活性化するため「スナックせんだい」イベントを10月2〜8日に定禅寺通のコンテナハウスで開催する。イベントは午後5時から9時まで行われ、蒸し牡蠣や宮城県産のクラフトビール、日本酒を提供。若者スタッフが市内のナイトスポットを紹介する。夜のにぎわいが国分町に集中する中、定禅寺通エリアの活性化を目指し、将来的な常設化や拠点拡大も視野に入れている。 2023、9,25 日本経済新聞 地方経済面

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