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カテゴリー別アーカイブ: 新聞要約
児童の交通安全意識を校内から
通学路や校内の安全向上に取り組んできた八街市の小学校が、学校安全の認証制度セーフティプロモーションスクールの認証を受けた。飲酒運転による児童死傷事故を教訓に始めた活動が全国的にも評価されたのである。校内の曲がり角の廊下を道路に見立て道路標識のような手作りの「止まれ」の看板やカーブミラーが設置されている。設置したのは児童で、校内での安全対策に取り組むことで校外の交通安全への意識を高める狙いがある。 23/05/17 朝日新聞 21ページ
要約 1冊目前半
書評 マシュー・サイド(2021)株式会社トランネット訳『多様性の科学』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン 元卓球選手でイギリスのジャーナリストであるマシュー・サイドは2016年、サッカー英国代表の技術諮問委員会に呼ばれ、起業家や陸軍士官とイングランド代表監督らへの助言を話し合った。認知的多様性に溢れた体験に感銘を受けたマシューは、どうすれば多様性の力を上手く発揮できるのか考え始める。一般的に性別、人種、年齢、信仰などの多様性は「人口統計的多様性」として分類されるが、本書ではものの見方や考え方が違う「認知的多様性」についても検討されている。 第1章 画一的集団の「死角」 1章では、本書のテーマは多様性であり、考え方が異なる人々の集団がもたらす大きな力を様々な角度から検討していくことが記されている。 長い間「能力の高さと多様性は両立しない」という考え方が主流だったが、2001年のニスベットらの実験により人の世界の捉え方についての普遍主義が覆され、文化に基づく違いが明らかになった。直線的ではない何層にも折り重なった複雑な問題の解決には、違う見方をする者同士が協力し合い、共有し合うことでより高い集合知を得ることが出来る。個人個人はどれだけ頭脳明晰でも、同じ背景を持つ者ばかりで意思決定集団を形成すると盲目になりやすいことは「集団のクローン化」と呼ばれる。どれだけ優秀な集団でも、同じような枠組みで物事を考える集団では「盲点」も共通している可能性が高い。しかもその傾向を互いに強化してしまうミラーリングが起きる。異なる視点を持つ人々を集めることは、多様な視点で、自分の盲点に気づかせ合えることができるようになる効果もある。 (CIAが9.11アメリカ同時多発テロを未然に防げなかったのは、CIA職員の画一性が、イスラム過激派による数々の兆候を脅威としてつなげる視点に欠けていたからだ。当時CIAの採用には偏りがあり、プロテスタント系の白人のエリート男性ばかりの組織では、自分達こそがアメリカの理念を守る存在であるという強い愛国心が育っていた。ビンラディンの聖戦布告映像はイスラム文化に合わせた原始的な映像で、優秀なCIAの分析官はそのメッセージを時代錯誤で無知な連中としか捉えることが出来なかった。この例からも、画一的な集団は重大な過ちを過剰な自信で見過ごしそのまま判断を下してしまう危険が確認できる。) <画一的な集団の思想は鋭くなってく> 第2章 クローン対反逆者 2章では、筆者が多様性に興味を持った経緯と、多様性の定義を明確にするため事例を科学的に考察している。 異なる視点やモデルを組み合わせることで全体像をより正確に捉えることが出来る。デューク大学のソル教授は、エコノミストによる経済予測を分析し、個人でトップだったエコノミストの予測と、上位6人のエコノミストによる予測の平均正解率を比較した。結果として後者の方が15%も高い正解率となった。仮にトップだったエコノミストのクローン6人がアイデアを出し合ったとしても、同じアイデアばかりが重なりアイデアの合計数は少なくなるミラーリングが起きてしまう。同じようなものの見方や考え方の枠組みが似ている集団では集合知を発揮することが出来ないのだ。頭のいい人材を集めれば頭のいい集団が出来るのではなく、集合知を得るには個人個人の「違い」も大切である。一人一人の意見のエラーは問題ではなく、「反逆者のアイデア」をきっかけに視点が広がることが重要だ。 高い集団知を生む認知的多様性には2つの条件がある。「問題が複雑であること」と「問題空間をできるだけ広く覆える根拠のある多様性であること」だ。製造業や短距離走など単純なタスクの場合、多様性は邪魔になり得る。正解と間違いの二極しかない直線的な課題で重要視されるのは能力の高さだ。また、集合知を得るには多様性だけでなく、賢い個人も必要となる。対処する問題と密接に関連し、かつ相乗効果を生み出す視点を持った人々が集まることが重要だ。 <最初は多様性に富む集団でも、そのうち主流となる考え方に「同化」してしまう。 多様性は評価されないと同化していく、一時的なものつながりがいい> 第3章 不均衡なコミュニケーショ 3章では、これまでのコンセプトから実践された、重要な情報や視点の「共有」へと話が進められている。 人間の頭や心は序列が定められた集団の中で生きるよう設計されている。集団の秩序は「順位制」によって決められ、集団の支配者が異議を自分の地位に対する脅威と捉える環境では多様な意見が出にくくなる。無意識のうちにヒエラルキーが効果的なコミュニケーショの邪魔をすることは「権威の急勾配」と呼ばれる。複雑な状況下では、多様な視点や意見が押しつぶされ重要な情報が共有されていない限り、いかに団結力があるチームでさえ適切な意思決定はされない。複数の人数で会議をする場合を例に挙げても、数人だけが発話の主導権を握る傾向がある「不均衡なコミュニケーショ問題」や、集団の構成員が特定の意見に同調して一方向になだれ込む「情報カスケード」、同調行動の「バンドワゴン効果」は日常的に見られる現象だ。 組織においてヒエラルキーは欠かせないが、リーダーが賢明な判断を下すには、その集団内で多様な視点が共有されている必要がある。ヒエラルキーの形には2種類あり、支配型のヒエラルキーでは、従属者は恐怖で支配された結果リーダーを真似る。決定事案遂行するだけの場合には指揮系統が明確なためうまくいく。一方尊敬型のヒエラルキーでは、ロールモデルとしてのリーダーに対し、自主的に敬意を抱き、集団全体が協力的な体制を築いていく。これは新たなアイデアを出したり、考え直す際に有効だ。両者の決定的な違いは「心理的安全性」である。集団の感情を読む共感力のあるリーダーは、メンバーの声によく耳を傾け信頼の絆が高まる。ヒエラルキーと多様性の両方のメリットを得るためには、ヒエラルキーのあらゆる層から意見やアイデアを引き出すこと、共有可能な関連の知識を持つ人全員から学ぶことが欠かせない。 <社長一強な会社はみんなが間違いを指摘できないからダメなのか。> 多様性を創出するための企業活動の事例 ①社外取締役 ②プロジェクトごとの社外チーム ③変わった人の採用 ④フォーカスグループ→政界や起業の権力構造を変えずに政策の妥当性を問う聴聞会 ⑤会議の場における多様性 アマゾンの黄金の沈黙、ブレインライティングとブレインストーミング
企業活動での人権侵害 対応求められる企業
長年にわたり人権問題に取り組むNGO副理事長の伊藤氏はG7サミットに何を期待するかという質問に、人権デューデリジェンス(DD)の法制化に踏み込んでほしいと答えた。人権DDとは企業活動の陰でおこる人権侵害やその可能性について企業が取引先も含めた事業活動を徹底的に調べ、必要な対策を取ることである。日本も人ごとではなくユニクロの服を作る中国の委託先工場での長時間労働や化学薬品による健康被害のリスクが明らかになっている。伊藤氏は強制力を伴う法規制がないままでは人権侵害は無くならないと主張している。 23/05/09 朝日新聞 6ページ
「読み書きできない」隠れる実態
2020年の国勢調査で最終学歴を小学校卒業と答えた人は約80万4千人で戦中戦後に育った75歳以上が9割を占めるが、20-40代も約1万3千人に上る。55歳で漢字が読めないために仕事を転々とし、保険加入を諦めた人もいて夜間中学で10-80代の仲間と学び直している。読み書きができず生活に支障があるという人たちが国内に相当数いるとみて識字調査の実施を進める研究者は、必要な施策を取るため実態把握が急務だと訴えている。 23/05/09 朝日新聞 1ページ
夏ゼミ合宿日程アンケート調査
以下のサイトで、二泊三日の開始日の可能な日を入力して下さい https://chouseisan.com/s?h=45101a2fa14f4e5a9ba16a6b58c77a67
卒論アウトライン(仮)
テーマ「個が重視される時代の繋がりを考える~経営組織の多様性について~」 ①主張 近年、「多様性」という言葉をよく耳にするようになった。教育現場や集団において、それぞれの個性を認めるという意図のスローガン使われるように感じられるが、本来は生物学において生物多様性とは「繋がり」を表す言葉である。環境省では生物多様性について「生きものたちの豊かな個性とつながりのこと。(中略)生命は一つひとつに個性があり、全て直接に、間接的に支えあって生きている」と書かれている[1]。 一方、会社組織では個人の能力主義という傾向が見られるようになった。これまでの日本的経営の特徴であった経営組織の私的なつながりが薄れ、雇用形態の多様化、様々な規制の強化、業務のIT化によるオンラインでのコミュニケーションの増加など、組織のつながり希薄化することは、経営組織における理念浸透の統制が図れなくなるということに他ならない。 経営理念とその組織を考えるとき、様々な問題が思い浮かぶ。理念を体現する人は組織の中の人だけがなれるのか、ビジョンに反する人は組織にいられないのか。本論文では、参考文献をもとに、「経営理念に対する共感度が様々な段階の人が組織にいることが経営組織における多様性であり、その中からイノベーションは生まれるのではないか」という主張を展開していくことを目的とする。 [1] 生物多様性とはなにか | 生物多様性 -Biodiversity- (biodic.go.jp) ②参考文献 1マシュー・サイド(2021)株式会社トランネット訳『多様性の科学』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン 2若林直樹(2009)『ネットワーク組織』有斐閣
42年連続子ども減少
総務省は4日、人口推計から算出した5月1日時点の子どもの数を発表した。全国の15歳未満の男女は前年より30万人少ない1435万人で、1982年から42年連続で減少している。総人口に占める割合も11.5%で49年連続の低下で、どちらの数値も比較可能な統計が残る50年以降で過去最低を更新した。3歳ごとの年齢別では12-14歳が321万人で最も多く、年齢が下がるほど減少し0-2歳は243万人であった。昨年の出生数は初めて80万人を割り込むなど、今後も減少傾向が続くと予想される。 23/05/05 朝日新聞 27ページ
役目を終えたアクリル板 新たな門出
新型コロナウイルスは8日から、感染症法上の類型が季節性インフルエンザなどと同じ5類に引き下げられた。感染対策として導入されていたアクリル板のパーテーションの撤去が相次いでいるが、再利用の取り組みも始まった。アクリル板の卸やリサイクルを担う緑川化成工業は不要なパーテーションの買い取りを始めた。同社には古いアクリル板を砕いて溶かし再生アクリル板としてリサイクルする技術があり、新しく作るのと比べCO2を71%削減でき廃棄されるアクリル板も大幅に減らすことができる。リサイクル後は駅の案内板のカバーなどに使われる。近畿大学でもアクリル板からパスケースを作ることなどを始めとし「コロナ世代の自分達にしかできない方法」で廃棄問題に取り組んでいる。 23/05/03 朝日新聞 25ページ
障害児 虐待の影響も示唆
京都府大学、独協大学教授が障害児入所施設に入所する子どもの25~65%に虐待の影響があるとする調査結果を出し、子どもたちが施設で生活する費用は年約655~1114億円に上ると推計した。これらをまとめた京都府大中根教授は「障害児入所施設には先天的な障害だけでなく、不適切な成育環境や外的要因で心的外傷後ストレス障害や事後的に障害を持った子どもが入所している可能性が示唆された」と指摘した。虐待がなければ生じなかったと推測されるコストの観点からも、早期に社会全体で介入し虐待を予防することが社会的な利益にもつながるとしている。 23/04/21 朝日新聞 27ページ
生成AI 大学での活用は
質問や指示に対して返答するAIであるチャットGPTをはじめとする生成AIの利用について、大学は対応を模索している。チャットGPTは質問を入力すると人間との会話のように自然な回答を返すのが特徴だが、文章に誤った情報が含まれたり根拠となる資料を正確に引用できなかったりする点などが懸念され学術レポートとしては致命的な問題点があると指摘されている。しかし情報収集や整理といった場面で活用が期待されており、東京大学では制限と活用のバランスを見極めながら大学教育に良い形で取り入れていく方針である。 23/04/21 朝日新聞 1ページ