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AIを使った工場システムで人手を3分の1に
NECは人工知能(AI)を使った生産ライン検査システムを開発した。生産ラインを流れる製品を撮った画像の特徴から不良を判別する。大手自動車部品メーカーなど30社で実証実験し、不良品の検出率を9割超と人間並みに高めた。新しいシステムは画像に写る複数の対象物を最速1~2秒で検査し、性能は「人間と同等」だという。AIが数百枚の画像から予測モデルを作成することで、従来、検査する製品に合わせて特徴を専門家があらかじめ入力する例が多い中、新システムではこうした手間を省ける。不良品だけを検査員が再検査することで人手を3分の1に減らせるという。製造業でも人手不足が進んでいる中、効率向上へ人員を低減したい企業に採用を促す。 2017/06/21 日本経済新聞 朝刊
トウモロコシ、気温上昇で虫害拡大
九州南部では地球温暖化に伴い体長3ミリメートルほどの昆虫「フタテンチビヨコバイ」の分布が拡大しているため、飼料用トウモロコシに虫害が広がっている。この虫は、もともとアフリカやアジアなどに生息していて、トウモロコシが葉の汁を吸われると、成長に必要なホルモンが変化し、葉脈がこぶ状に盛り上がってしまう。この結果、ワラビー萎縮症という、葉や茎が成長しなくなり、実もほとんどならなくなってしまう状態になる。今後は九州だけではなく、四国、関西方面にも被害が広がると考えられる。対策として挙がるのは、この虫への抵抗力が強い品種への転換や、虫が増える真夏になる前に種をまいて育てる農法の普及であり、対抗できる農薬などはまだ作られていない。 2017/06/18 日本経済新聞 朝刊
日本企業、資本厚く利益薄く
日本企業の体力が過去最高となった。自己資本比率が40%を超え米主要500社の32%と比較しても高水準であることがわかる。これは破綻リスクが小さく財務が安定していることを指す。毎期の利益を積み立ててきた結果であるが、資本が厚くなると利益効率が低下することを免れない。自己資本利益率(ROE)を見ると世界水準の2桁には及ばない8.7%であり、安定と利益効率のジレンマに陥っている。グローバル市場で成長するには安定だけに捉われず、利益率上昇に貪欲になることが鍵だとされる。 日本経済新聞2017/06/18朝刊1ページ
IHG、日本初の「新設」高級リゾート
英インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)はリース大手・東京センチュリーとリース契約を結び、2019年夏を目処に別府に高級リゾートを新設する。国内に新設という形をとるのは初の試みで19年のラグビーワールドカップ、20年の東京五輪に向け増加する訪日観光客に焦点を当てている。同地区は旅館が多く比較的安価な宿泊施設が並ぶ。しかし、IHGは1泊の利用料金が5万円からと富裕層の休暇需要を取り込むとしている。IHGのブランド力が問われる。 日本経済新聞2017/06/19朝刊3ページ
カジノ施設 政府が規制案
政府は13日、カジノを中心とする統合型リゾート(IR)に関する政府の有識者会議に、カジノ施設の規制案を示した。ひとつのIR施設に認めるカジノ施設の数を1カ所に限定し、床面積も上限を設けるというものだ。 また同会議では、カジノを楽しむ客への金融業務への規制案も議論され、貸し付けを認める顧客の対象を資金力がある日本人と日本に住んでいない外国人に限定し、カジノ施設内のATMの設置も禁止する考えを示した。ギャンブル依存症といった懸念を払拭するため、カジノ営業を法律であらかじめ制限していく方針だ。 2017/6/14 日本経済新聞
ソニー「PS4」売り上げ好調維持
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは12日、家庭用ゲーム機「プレイステーション4」の累計実売台数が6040万台に達したと発表した。PS4は発売から約3年半経過するなか売れ行きは好調を維持している。また、ソニーは世界最大級のゲーム見本市「E3」に先駆けて開いた発表会で新作ソフトを紹介し、人気ソフトや仮想現実(VR)対応ソフトを拡充し販売ペースが緩むのを抑える。ただ任天堂が今年3月に「Nintendo Switch」を発売するなど、競合が増している。 2017/6/14 日本経済新聞
カジノ内、ATM設置禁止へ
カジノを含む統合型リゾート(IR)の制度を検討している政府は13日、カジノ施設内には現金自動出入機(ATM)の設置を認めない方針を明らかにした。クレジットカードの利用も外国人を除き原則として禁止する。ギャンブル依存症などへの懸念を受けての対策だが、どの程度実効性があるかは不透明だ。 2017 6/13 朝日新聞
三菱UFJ銀行、本店に接客ロボ
三菱東京UFJ銀行は12日、接客用のロボットを東京・丸の内の本店に試験的に設置した。来店客と会話しながら、商品やサービスを提案する。将来的な無人店舗なども視野に、ロボットを活用した顧客サービスの維持・向上策を探る。 仏アルデバラン社が開発したヒト型ロボットの「NAO」。人が近づくと会話が始まり「海外旅行ではクレジットカードと現金のどちらを使いますか」といった質問をしてくる。客が「はい」や「いいえ」で答えると、最終的にデビットカードなどを勧めてくる。 2017 6/13 日本経済新聞
グラノヴェッターの暴動モデル
社会学者のマークグラノヴェッターは暴動の一歩手前の状態にある群衆のきわめて単純な数理モデルを用いてミクロ・マクロ問題に光を当てた。 例えば100人の学生が集まり政策について抗議していたとする。このとき群衆の一人一人が暴力的な本能と平和的な本能に板挟みにされている。どちらを選ぶのかは自分だけで決めるのではなく、ある程度人の行動を見てから決める。このある程度の度合いを「閾値」とおく。この場合の閾値とは、十分な人数が集まれば参加するが、それに満たないなら自制するという値だ。そして、グラノヴェッターは非常に単純な分布を仮定し、百人の閾値はみな異なっているとした。1人目の閾値は0人、2人目は1人、最後の人は99人と割り振った。この場合、最終的に全員暴動に参加することになる。 だが、ここで隣町でも全く同じ人数同じ理由で群衆が作られたとする。さらに群衆と閾値の分布もほぼ同じとする。このとき2つの群衆はよく似ているが、1人だけ閾値が3人の人がおらず、4人の人が2人いたとする。この条件だと、結局3人しか暴動を起こさない。 もしこの2つの町を観察している者がいたとして、結果を見比べてみたら人々や状況に何か違いがあると考えるはずだ。こっちの町の学生は気性が荒めだとか、町の防備が薄いからだと推測するだろう。常識はこうした種類の説明を提示する。だが、実際にはたった1人の閾値を除けば、人々にも状況にも何ひとつ違いなどない。2つの集団の特性に決定的な違いがないため、代表的個人モデルでは結果の違いを説明できない。結果の違いを理解するには個人間の相互作用を考慮しなければならなく、そのためには個人の決断が次々に連鎖していく流れを全てたどる必要が出てくる。このときミクロ・マクロ問題は顕在化する。
預金ついに1000兆円 金利なくても残高最高
金融機関に預金が集まり続けている。銀行や信用金庫などの預金残高は2017年3月末時点で、過去最高の1053兆円となった。日銀のマイナス金利政策で金利はほぼゼロにも関わらず、中高年が老後の不安から虎の子の退職金や年金を預け続けている。また運用難から企業や機関投資家らも預金を大幅に増やしている。預金は銀行の貸し出しの原資だが、今は活用されないまま積み上がる「死に金」となっている。