作成者別アーカイブ: 布川 泰大

卒論テーマ『野村克也から学ぶ人材育成』

リーダーシップについて総合的に学ぶと確固たる結論が出ないため、実在の人物に焦点を当てて考えてみることにした。派遣社員を多用し、人材育成に予算が回されていない昨今の経営事情を鑑みて、人材育成の手法を学ぶことが必要だと考える。そこで私が注目したのが野村克也さんだ。野村さんは「野村再生工場」といわれるほど、育成の手腕が高いことで知られている。彼が活躍した場はスポーツの人材育成だったが、彼の育成理念と結果から経営につながる所を見つけ出し、論文にまとめることにした。

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書評『リーダーシップとは何か』ロナルド・A・ハイフェッツ

本書はリーダーシップとは何かについて、オーソリティー(権威、権限)との違いと関連性を交えて説明するものだ。 リーダーとは何なのか、単純に影響力という観点から定義すると、ナチスドイツのアドルフ・ヒットラーはリーダーとして紛れもない成功者だったということになる。彼は言葉で何百万の人を鼓舞して彼らの生活を組織化させ、彼の作った目標は従者の要求や人々の欲求を満たしていた。しかし、適応の仕事の基準に照らせばヒットラーはリーダーシップの行使に失敗したことになる。社会的にも経済的にもドイツ社会を劇的に動かしたが、それは基本的に困難な現実を回避する方向に動かしたのであった。幻想を振り撒き、内にスケープゴート、外に敵を作りながら国を大きな不幸に導いた。彼がリーダーシップを行使したというのは、やぶ医者が偽の治療を行うのと同じことに過ぎなかったのだ。 リーダーシップを適応の仕事として見ると、社会的に有益な結果を生み出すには、現実性のテストが極めて重要であることを示してくれる。現実性のテストを重視しないリーダーシップの考え方では、診断がどんなに欠陥だらけでもそのビジョンの実現に人々を駆り立ててしまうことになる。ヒットラーはモラル上と同時に診断上も間違いを犯したのだ。このように、リーダーシップとはただ影響力があるだけでは足らず、適応の仕事を行うことが重要であることが分かる。 次にオーソリティーについてである。著者はオーソリティーをサービス(貢献)を行うための権限と定義している。私たちは高いオーソリティーの立場に達した人をリーダーと呼んでいる。しかし、考えてみれば彼らがリーダーシップに欠けることが多いと私たちは簡単に認めることが多々ある。そこに違いがあることを直感的に感じとっているのだ。オーソリティーはリーダーにとって快適に仕事を進める上で資産となる。誰もが彼に一目置いているので、彼または彼女の意見を好意的に受けとるのだ。だが逆にオーソリティーがリーダーにとって足枷となることもある。それは適応の仕事を行う時によく起こる。例えば医者について考えてもらいたい。医者の仕事は、技術的な仕事と適応の仕事の違いについて分かりやすい例を示してくれる。技術的な仕事というのは、医者の専門知識を使う仕事だ。軽い風邪程度の患者なら技術的な仕事のみで事足りる。しかし、どうにもならないような病気の場合は適応の仕事が必要になる。末期ガンと診断されて完治の見込みがない患者に、ガンが主要な問題だと定義することはただの現実の否定であり無意味だろう。この場合ガンは1つの条件だ。限定的な治療しかできないのだから、問題の一部に過ぎない。患者にとっての本当の仕事は、自分の健康状態を越えて、厳しい現実を直視し、それに対して調整することである。そして、この調整に手を貸すことがことが医者の適応の仕事である。 人は何か厳しい状況にあるとき、一番手近な問題に全ての原因を見出だしたり、他者に責任を押し付けたりすることがある。その対象となりやすい者がオーソリティーを持っているものだ。彼なら解決策を持っているはずと期待をするのだ。それがリーダーシップの足枷となる。この足枷をなんとかして物事を解決させるには、責任を押し返して相手方に受け入れさせ、学ばせることだ。この適応への挑戦が妥協点を生み、事態の沈静化につながる。 リーダーシップとはそもそも何かについて学ぶために本書を読んだ。リーダーとは解決策を作り、他者に指示を出す者と漠然と考えていたのだがそれだけではないことを学べた。リーダーが一人で解決策を練らずに部下の意見に耳を傾けることの重要性は経営学の授業でよく聞くことなので知ってはいたのだが、責任を押し返して考えさせるというのは私には無い発想だったので感慨深かった。本書はリーダーシップとオーソリティーについて学ぶのに非常に役立つ物だった。ただ、本書はあくまで著者の経験則による分析であるため、もっと他の著作を読んだ上で参考の一助にしようと思う。 著者:ロナルド・A・ハイフェッツ 訳者:幸田 シャーミン 発行所:産能大学出版部    

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書評『相貌心理学序説』顔立ちと性格

本書は顔立ちと心理的な人格特性との間に法則が成り立つことを証明する相貌心理学の基礎に関して著したものである。またこの本で示されるいくつかの規則は、単純な類型から複雑な類型へと説き進められており、最終的には日常生活で出会う人々の独特な類型にたどり着くための手助けとなるように構成されている。 まず最初に顔立ちについての説明がされる。顔立ちの分析には3つ視点がある。外枠・感覚受容器(目や鼻のこと)・肉付きである。そしてこの3要素を基礎に、拡張ー縮小の法則や緊張の法則、可動性の法則などの要素を付け足していき、そこから人格特性を読み解いていく。 前回の本では初対面における顔と言語情報について学んだが、「好ましい顔」についての具体例が記されていなかったため少し消化不良ぎみだった。そこで、今回は気になっていた「顔」に主眼をおいて本書を選んだ。実際に読んでみて、顔から得られる情報量の多さに驚きを感じた。試しに知り合いの顔で実証してみたところ、どうにも私の把握している性格とは齟齬が生まれる。本書にも記されていた通り、実物は複雑で難しいものだった。更なる学びが必要であることを実感できた。 著者 L.コルマン 訳者 須賀哲夫、福田忠朗 北大路書房 2015年出版

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書評 『印象形成における対人情報統合過程』

従来の印象形成研究は、そのプロセスを解明することに主眼が置かれていたため、専ら操作の容易な言語情報を用いて検討が重ねられてきた。しかし筆者は、実生活において人は顔からも他者についての判断材料を得ていることを鑑み、より現実場面に密着した研究を展開するには両情報を同機軸上で扱うことが肝要であると考えた。そこで、顔を認知的観点から捉え直し、両情報の統合・組織化のメカニズムを検討し、図式を提案した。認知者の処理容量に限界があったり、印象を決定するよう動機付けられたり、精緻化された情報処理への状況的要因が無い時は処理の単純化を促進する顔に依拠した処理が行われる。一方、認知者の処理容量に余裕があったり、正確さを動機付けられたり、精緻化された情報処理への状況的要因がある時は、言語情報に依拠した処理が行われやすくなることが示された。これらのことから、情報としての特徴を考えると顔及び言語情報はそれぞれ一長一短があるが、人は常にそのどちらかを偏向せず、様々な社会的要請に応じてうまく使い分けていることが示唆された。いくつか課題もあるが本研究は印象形成における顔の機能を明らかにし、両情報の統合過程に関する枠組みを提供した点で意義があると思われる。この本の形式としては、最初に目的を提示し、実験をして、出た結果から新たな課題を作って、また実験をするという少しずつ結果を積み立てて考察をしていくものだったため内容はつかみやすかった。ただ、表を読み取るのに数学的な見識を求められるため、文系の私には辛いものがあった。また、この本で明かされたことはあくまで対人関係の入り口において両情報の統合過程の一端に過ぎず、印象形成という分野の途方の無さを実感できた一冊であった。 川西千弘 風間書房 2000年12月25日 初版発行  

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書評 元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法

著者の心理学者ジャック・シェーファーは過去に22年間FBI捜査官として活動しており、本書では捜査官時代の経験から学んだ「心を支配する」方法を、実体験を交えて書かれている。また、本書に載っている手法は最新の科学に基づいたものである。 「心を支配する」とは「好きになってもらい、信頼されること」に尽きる。著者はアメリカと敵対国のスパイを寝返らせるときにこの方法に気がつき、人に好かれる公式を作った。 近接+頻度+持続期間+強度=人物の好感度 近接とは相手との距離感、頻度とは相手との接触回数、持続期間とは一緒に過ごす時間の長さ、強度とは言葉やしぐさ、態度などで相手の望みをかなえる程度のことを指す。この公式は今の人間関係の修復にも応用可能であり、逆に距離を置きたい相手や人間関係を穏便に解消するのにも使用可能だ。実際に私は距離を置きたい人物がいたのだが、彼は講義のとき必ずすぐ隣に座ってくる。私が荷物を置いていようがおかまいなしに座ってくる。この行為を何回もやられているうちに私も徐々に心を開いていってしまった。この経験から公式に確かな効果を感じた。本書ではこの公式を土台に情報コントロール術や人の引き付け方なども記載されており、どれもビジネスにも応用可能なものなので、卒論の参考となる一冊だった。 著者 ジャック・シェーファー 元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法 2015年 大和書房

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卒業論文 テーマ

私は心理学系統を卒業論文のテーマに据えようと考えています。テーマ候補は複数ありまして、1つ目は印象形成です。印象形成とは具体的に言いますとどのような特徴を持っていると他者から好印象を持たれるのかというのを分析する分野です。この分野は就活にもビジネスにも応用可能なものなので私は特に興味を持っています。次に興味がある分野はリーダーシップ論です。こちらは経営学部でも取り上げられる分野なので、候補として見ています。他にも色彩心理学や家族関係の及ぼす影響などにも興味がありますが、一先ずは印象形成かリーダーシップ論にしぼって本を読んでいこうと思います。

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ビッグデータ活用へ「匿名加工」

これまでデータを集めた企業が自社のために活用することはあっても、個人情報保護の観点から他社に提供すること難しかった。こうした背景を踏まえて「匿名加工情報」制度が新たに作られた。匿名加工には多くの方法があるが、代表的なのは「削除」と「一般化」だ。削除は文字通り情報を取り除くこと。一般化は情報の内容を詳しいものから大雑把なものへ丸める手法だ。例えば「きゅうり」を「野菜」に、町名、番地、建物名を省いて「東京都渋谷区」など自治体単位に表記する。利用者の目的に合うように匿名加工するのは「職人技に近い世界だ。有用性を保ちながら個人特定を回避できる万能技術は存在しない」とNTT主席研究員の高橋克巳さんは指摘する。 2017/07/14 日本経済新聞 朝刊

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非正規雇用 期限なしに

契約者やパート・アルバイトなど期間を区切って雇用する非正規社員を、無期雇用の契約に切り替える企業が増えている。人手不足が深刻化する中、企業は非正規社員の待遇改善に加えて、優秀な人材確保につなげる。2018年4月からは勤続年数が5年を越えた非正規社員は無期雇用を申し入れでき、対象は約4200万人に上る。これまで、企業は非正規社員を人件費や業務の調整弁として景気変動などに合わせて人員増減してきた。今後は無期転換や正規社員化で人件費といった固定費が増え、企業の収益を圧迫する可能性もある。生産性を高めてコスト上昇分を吸収し、競争力の向上につなげられるかが問われている。 2017/07/14 日本経済新聞 朝刊

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ビブリオバトル 候補

特定の人としかうまく付き合えないのは、結局あなたの心が冷めているからだ。 五百田達成 堀田秀悟

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「脱時間給」法案を修正

 政府は労働時間でなく成果に基づき賃金を払う「脱時間給」制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)について、連合の提案を元に現行案を修正する。年104日以上の休日確保を企業に義務づけ、労働時間の上限設定や連続休暇の取得を労使で決める仕組みとする。例えば成果が出れば1日2時間勤務を認めたり、逆に繁忙期に深夜作業できたりする制度の実現を検討している。しかし、現行案は長時間労働を助長するとして国会の審議は膠着。そこで政府は秋の臨時国会で現行のままではなく、修正案をだして脱時間給を盛る労働基準法改正案の成立を目指す。 2017/07/11 日本経済新聞 朝刊

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