作成者別アーカイブ: 鈴木 あつみ

中国で初めて、ゲノム編集技術を人に適用

中国・四川大学の研究グループがゲノム編集技術を初めて人間の患者に適用したと、英科学誌ネイチャーが報じた。研究グループは臨床試験で肺がん患者の血液から細胞を取り出し、免疫反応を司る遺伝子をゲノム編集技術で操作した。がん細胞を攻撃するよう改変した後患者に戻したという。グループは病院の生命倫理委員会の承認を得て実施したとしており、今後計10人に対し同様の試験をする計画がある。まずは6ヶ月間経過を観察して安全性を確かめる予定だ。 2016.11.16 日本経済新聞

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喫煙量多いほど遺伝子に突然変異

国立がん研究センターと理化学研究所等が、たばこを吸う本数が多いほど遺伝子の突然変異数も増加することを突き止めた。遺伝子の突然変異により発生するがんの原因の一つが喫煙とされてきたが、今回調べたところ肺、口腔、肝臓等6種類のがんで喫煙による突然変異の有意な増加が見られ、特に肺がんでの変異数が最も多かった。患者の喫煙歴からの推計では、毎日たばこを一箱吸うと肺がんでは150個の突然変異が起こり蓄積する。喫煙ががんの発症率を高めることが今回改めて確認された。 2016.11.4 日本経済新聞

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日本人のゲノムデータをAI解析し、データベース化

京都大学と富士通が日本人のゲノムデータをAIで解析し、病気との関連をまとめたデータベースをつくると発表した。AIに学習させるのは国立感染症研究所や国立がん研究センターなど国内11拠点に集まった日本人患者のゲノムデータで、発表済みの論文や医薬品のデータベースと照合し、遺伝子のタイプから効果的な薬の処方や病気の進行予測ができるシステムを目指す。従来手作業で調べていた遺伝情報と病気の関連にAIを使えば、作業効率は上がり、見過ごしていた因果関係も分かる可能性があるという。 2016.10.2 日本経済新聞

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イヌの性格、遺伝子に関連か

イヌがオオカミと違って人に懐きやすいのは特別な遺伝子の特徴を持っているからだ、とスウェーデンの研究チームが明らかにした。研究チームは、共通の環境で育てられたビーグル犬437匹に対して実験を行い、人に助けを求める度合いを数値化した。人に頼る性格のイヌとそうでないイヌ計約200匹のDNAを分析したところ、性格の違いに関係するとみられるいくつかの遺伝子が判明した。その中には、人でも社会性との関連が指摘されている遺伝子もあるという。研究チームは、イヌが家畜化したことで人と上手く付き合える遺伝子が進化したのではと考えている。 2016.10.20 朝日新聞

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DNAの断裂 酵素が修復

これまでDNAは強い紫外線やエックス線を浴びることで断裂するが、それ以外に自然に断裂することは稀だと考えられていた。だが京都大学の武田教授らが3日、細胞内のDNAは高い頻度で断裂しそして酵素の作用により修復されていることをつきとめた。ゲノム編集技術を使い「Mre11」と呼ぶ遺伝子の働きを妨げ酵素を作れなくしたところ、細胞は3日程で死に、断裂したDNAは修復されないままだった。DNAは日常的に断裂しているが、Mre11が修復を促し、機能を保っているとみられる。新たな抗がん剤開発にも繋がると考えられている。 2016.11.4 日経産業新聞

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ヒト受精卵の研究について、年内予定だった指針策定を見送り

政府の生命倫理専門調査会は、ゲノム編集技術を使ったヒト受精卵の基礎研究について、国の指針作成を見送ると決定した。同調査会は今年4月にヒト受精卵へのゲノム編集技術を基礎研究に限って認め、内閣府を通じて各省庁に指針作成などの環境整備を求めていたが、研究をめぐる状況の変化が目まぐるしく指針内容を短期で固めるのが難しいといった理由から今回は作成を見送り、当面は学会主導のマニュアルで対応する予定だ。 2016.10.22 朝日新聞 朝刊 総合面

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ヒト受精卵へのゲノム編集を基礎研究に限り承認、国の指針急ぐ

内閣府の生命倫理調査会はヒト受精卵へのゲノム編集を基礎研究に限って認めた。申請された研究内容を審査し科学的な合理性や社会的な妥当性を認めれば基礎研究は実施できると示しているが、実際に必要な管理法や手続きを規定した国の指針はない。ルールを逸脱した研究を防ぎつつ、遺伝性の難病治療の研究に早く着手したいとの期待や海外に後れを取りかねないという危機感からできれば一年内指針をという訴えもあり、一般の人や研究者が納得できる指針の作成が早急に求められている。 2016.4.23 日本経済新聞 朝刊

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ミトコンドリア移植による不妊治療に疑念の声

不妊に悩む女性の卵巣からミトコンドリアを取り出し、体外受精の際に卵子に移植したところ二人が妊娠に成功したと、大阪市の不妊治療クリニックが発表した。この治療法は米国企業が開発したもので、加齢で老化した卵子の質をミトコンドリアによって改善する狙いがある。費用は焼く250万円。昨年12月に日本産科婦人科学会が臨床研究としての実施を認めたが、移植するミトコンドリアが正常かどうかも不明であり、有効性や安全性を懸念する声もある。不妊治療に使う前に科学的根拠を確かめることが必要となるだろう。 2016.8.30 日本経済新聞 朝刊

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ヒト受精胚の臨床応用容認されず

内閣府の総合科学技術・イノベーション会議の生命倫理専門調査会は、ゲノム編集で操作したヒトの受精胚の臨床応用を「現時点で容認できない」とする方針で合意した。ゲノム編集は遺伝性疾患の治療につながると期待されるが、他の遺伝子への作用や世代を超えた影響が予測できないため、臨床応用については認められなかった。ただ基礎研究については取り組みを求める声があり、最終会合で再検討される。必要があれば各種指針の改正も求められるだろう。 2016.3.15 日本経済新聞 朝刊

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感染症媒介を防ぐ遺伝子組み換え蚊を開発

蚊の遺伝子を操作して感染症の媒介を防いだり、子孫を残せないようにする研究が進んでいる。自治医科大学と農研機構のグループはマラリア原虫を媒介しないよう遺伝子を組み換えて唾液腺を破壊した蚊を開発した。海外では遺伝子操作によって蚊を不妊化させる試みも進み、デング熱やジカ熱の予防を目指す英国のオキシテックは、数百万匹の遺伝子組み換え蚊を放つ実験をし15年末迄に蚊の幼虫を82%減らせたという。ただ、組み換え技術は生態系を大きく変える恐れもあり、効果の持続性も含め長期で調べる必要があるとしている。 2016.7.17 日本経済新聞 朝刊

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