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作成者別アーカイブ: 松田 琢夢
世界初の宇宙太陽光発電実証実験へ
経済産業省の支援を受ける宇宙システム開発利用推進機構は、2026年度に宇宙で発電した電気を地上に送る世界初の実証実験を行う。小型衛星から電力をマイクロ波に変えて送電する計画だが、現時点では送電効率の低さやGPSなどの無線通信に影響を与える懸念といった技術的課題がある。また、実用化には国連機関などと連携した周波数確保のルール作りも必要となる。宇宙太陽光発電は天候に左右されず地上の約5倍の発電効率を持つため、国は50年までに1兆2000億円規模を投じ、原発1基分に相当する100万キロワット級の大型発電衛星を構築する構想を掲げる。普及すれば日本の電力不足を補う次世代の主力電源として期待されており、今後は国内外で技術開発と法整備の両面から実用化に向けた取り組みが進められる。 2026/6/9 日本経済新聞
日本原燃の再処理工場、規制委の説明終了
原子力規制委員会は8日、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場の工事計画に関する審査会合を開き、原燃側の説明が終了した。今後は認可手続きへ移るが、2026年度中の完成は厳しい見通しで、同工場は国の「核燃料サイクル」政策の要として1993年に着工したが、トラブルや規制強化により過去27回完成が延期されてきた。提出予定の修正計画書は7万ページに及び、精査や設備検査に時間を要するためだ。各地の原発で核燃料の保管プールが満杯に近づく中、電力各社は原燃への技術者派遣を強化し、早期稼働を支援する。 2026/6/9 日本経済新聞
海外投資家離れによるロンドンの住宅価格が急落
ロンドン中心部の住宅価格が前年同月比5.6%下落し、金融危機直後の2009年以来、約17年ぶりの急落を記録した。英政府による海外投資家への印紙税増税や税優遇の廃止が背景にあり、富裕層の英国離れが加速した。住宅価格の高騰は主要国の共通課題となっており、イタリアは10万戸の公営住宅供給に向け100億ユーロを投じる方針を示したほか、カナダやオーストラリアでは外国人による不動産購入を原則禁止する措置を導入した。各国で世界的な投資マネーの流入を力技で抑制する動きが広がっている。
メガソーラー初の補助金返還命令
経済産業省は、福島県のメガソーラー事業者に対し、固定価格買い取り制度(FIT)の認定取り消しと、過去に支払った交付金(推計5億〜6億円)の全額返還命令を出した。同事業者は、約10キロ離れた2カ所の設備が送電網で繋がっていないにもかかわらず、1つの発電所として虚偽の計画を申請し、国からの交付金を不正に受け取っていた。国は24年から悪質業者への取り締まりを強化している。中東情勢緊迫で再生エネの重要性が増す中、補助金目的の無理な開発や法令順守の不徹底といった構造的な課題が浮き彫りになっている。
中東有事で中国の再エネ輸出が急増
イラン軍事衝突に伴うホルムズ海峡封鎖により、中国の再生可能エネルギー製品の輸出が急増している。原油やLNG価格の高騰を受け、化石燃料への依存脱却を急ぐ欧州やアジアで需要が強まり、3〜4月の太陽光パネルの輸出額は前年同期比6割増の76億ドルに達した。韓国向けEVが約3倍、オランダ向け電池が2.3倍となっている。中国は国内の過剰生産能力を背景に輸出を加速させており、安価な中国製品への依存が強まる中、将来的な輸出規制による影響力行使や欧米による高関税措置など、新たな貿易摩擦のリスクもある。 2026/5/22 日本経済新聞
米ネクステラ、AI需要に伴う投資巨額化に対応
米電力大手のネクステラ・エナジーは18日、同業のドミニオン・エナジーを約10兆円で買収すると発表した。背景には、AI普及に伴うデータセンターの電力需要急増がある。米国の電力需要は今後、過去15年間の6倍のペースで伸びる見通しで、発電施設1件あたりの投資規模も従来の30倍へ巨額化している。両社は合併により年間590億ドルの設備投資体制を整え、32年までに発電能力を現在の2倍以上となる最大260ギガワットへ拡大する計画だ。インフラ投資が巨大化する中、規模拡大により資金力を高め、需要の急増に備える。 2026/5/22 日本経済新聞
パナソニックショップの新業態
パナソニックは、国内に約1万5000店ある地域密着型店舗「パナソニックショップ」の再生に向け、カフェ併設などの新業態を展開している。1980年代に約2万7000店あった店舗数は、家電量販店やECの普及により激減し、顧客の高齢化や後継者不足が深刻な課題となっている。新業態では、美容家電のサブスクや料理教室を通じたショールーム化を図り、従来の「電器屋」のイメージを刷新することで若年層の取り込みを狙う。愛知県の店舗では来店客数が倍増し、30〜40代の集客に成功するなどの成果も出ている。90年の歴史を持つ「地域密着型の個別サービス」という対面の強みを維持しつつ、変化する市場環境に合わせてブランド力と働き手を確保できるかが重要になる。 2026/5/12 日本経済新聞
第一三共、がん新薬開発遅れで2495億円の損失計上
第一三共は11日、抗がん薬「HER3-DXd」の市場投入が当初の2030年から2035年へ延期されると発表した。これに伴い、2026年3月期と27年3月期で計2495億円の損失補償費用を計上する。ADC(抗体薬物複合体)市場の急拡大を見込み、同社は成功前提の「リスク調整のない供給プラン」を敷いていたが、米国での申請取り下げ等による開発遅延が、製造委託先への巨額の違約金発生を招いた。同社は経営資源をがん領域へ集中させるため、市販薬事業の売却を決定。今後5年間で2.9兆円の研究開発費を投じ、36年3月期にがん領域で世界5位を目指す。しかし、中国勢の台頭など競争が激化する中巨額投資に伴うキャッシュフローの不確実性と、不備が露呈したリスク管理能力の再構築が課題となっている。 2026/5/12 日本経済新聞
中国政府、少子化対策に向けた点数至上主義からの転換
中国政府は小中学生の過剰な成績競争を是正し、子供の健全な育成を優先する「ゆとり教育」への転換を急いでいる。教育省は2025年12月、小学1〜2年生の筆記試験禁止や、他学年での試験回数を1学期1回に制限する措置を打ち出した。また、試験結果の順位付けや公表も厳禁としている。背景には深刻な少子化があり、8000人を対象としたヒアリング調査では、出産の判断を阻害する大きな要因として「教育に対する焦りや不安」が浮き彫りになった。過度な競争は健康面にも悪影響を及ぼしており、生徒の95%以上が近視という実態も報告されている。これを受け、中国政府は業間休みを15分に延長するなどの健康配慮を強化した。従来の政策が校外を対象とした規制であったのに対し、今回は校内の競争緩和を通じて親世代の心理的負担を軽減し、少子化に歯止めをかける狙いがある。 2026/4/22 日本経済新聞
アマゾン、アンソロピックへの巨額投資
米アマゾン・ドット・コムは20日、AI新興企業アンソロピックへ最大250億ドルの追加出資を発表した。アンソロピックはアマゾン製半導体の供給を受けるほか、今後10年で1000億ドル以上の利用料を支払う長期契約を締結した。この提携は、計算基盤の不足を解消したいアンソロピックと、自社クラウドの利用者を固定したいアマゾン双方の利害が一致したものである。この提携強化により、アマゾンは自社製半導体の普及とクラウド事業の拡大を加速させ、2026年度のIPOを見据えるアンソロピックと共に、法人向けAI市場での主導権確保を狙う。 2026/4/22 日本経済新聞