法制審議会の所有者不明土地対策を議論する部会は3日、中間試案の原案をまとめ、土地所有権の放棄について「所有を巡り争いが起こっておらず、管理も容易にできる」ことを条件に、個人に限って認めることを盛り込んだ。所有権の放棄は課税逃れや管理費用を国に転嫁するなどのモラルハザードを招きかねないとの懸念で、現行の民法は認めていない。法制審部会の議論では人口の都市集中や少子高齢化の進行を受け、遠方の土地を手放したいと考える人が多くなると指摘があった。親など被相続人の死後に相続した土地を管理できなくなり放置することは、所有者不明の土地の発生要因ともされている。
(2019/12/4 日本経済新聞 朝刊)
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