美容医療などで広く使われるヒアルロン酸が、ガンの抑制や発がんに関わっていることを解明したと、東京大の研究チームが10日、米科学誌デベロップメンタル・セルに発表した。ヒアルロン酸の分子が大きい場合は「善玉」としてがんを抑制するが、炎症などにより細かく分解されると「悪玉」となって発がんを促す。チームの畠山教授は、「ヒアルロン酸を注入した組織が炎症を起こさないという保証はない。大きな分子を注入しても体内で分解が起こる限り、がんのリスクは高まり、体の中に安易に注入するのはリスクがある」と警鐘を鳴らしている。
(2019/5/10 毎日新聞22面)