書評 実例から学ぶ 人材育成OJT 実践マニュアル

本書は部下を指導・教育する立場にある人へOJTの基本をわかりやすく解説し、またOJTの現場の声や事例をさまざま紹介したものである。

第1章「OJTとは何か」ではOJTは企業内教育のいくつもの要素の中の1つであり、上司が職場で仕事を通じて部下を指導し育成していくことと定義され、企業内教育の中心として位置付けられていると説明している。第2章「OJTの実践方法」ではグループワーク報告とアンケート結果を用いて上司がOJTの実践方法として自身がどのように育成をしてきたかを具体的な内容で紹介すると共に、部下からどのようなことが求められているかも紹介されている。特に部下からの信頼はOJTの実践において大切であると述べられている。第3章「OJT事例集」では実際にあった体験談をいくつか紹介し、その事例を状況・問題点・方法・批評・実践のポイントの5つの項目から分析している。第4章「OJTの定着方法」ではフォーマット類を活用したOJTの実践方法について述べられている。本当に必要とされている定着方法を検討し、ここでは実践の計画や結果ではなく経緯や行為をしっかり記述できるような< OJT実践メモ>を提案している。
第5章「Q&A」ではここまでで説明されたOJTをいざ実践する際にどのような問題に直面するか現場の上司に聞き取りをし、それに対して筆者が回答をしている。

この本を読んだことでOJTに関する基礎からOJTが活用されている現場の事例までを学ぶことができた。今後は企業をとりまく環境の変化に伴うOJT教育の課題や位置づけについて、またOJT教育の重要性を更に学ぶことができる文献や事例を調査し、今後あるべきOJT教育のありかたについて論文を作成したい。

実例から学ぶ人材育成OJT実践マニュアル 寺澤弘忠著 ぱる出版 2001年

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