書評 元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法

著者の心理学者ジャック・シェーファーは過去に22年間FBI捜査官として活動しており、本書では捜査官時代の経験から学んだ「心を支配する」方法を、実体験を交えて書かれている。また、本書に載っている手法は最新の科学に基づいたものである。

「心を支配する」とは「好きになってもらい、信頼されること」に尽きる。著者はアメリカと敵対国のスパイを寝返らせるときにこの方法に気がつき、人に好かれる公式を作った。

近接+頻度+持続期間+強度=人物の好感度

近接とは相手との距離感、頻度とは相手との接触回数、持続期間とは一緒に過ごす時間の長さ、強度とは言葉やしぐさ、態度などで相手の望みをかなえる程度のことを指す。この公式は今の人間関係の修復にも応用可能であり、逆に距離を置きたい相手や人間関係を穏便に解消するのにも使用可能だ。実際に私は距離を置きたい人物がいたのだが、彼は講義のとき必ずすぐ隣に座ってくる。私が荷物を置いていようがおかまいなしに座ってくる。この行為を何回もやられているうちに私も徐々に心を開いていってしまった。この経験から公式に確かな効果を感じた。本書ではこの公式を土台に情報コントロール術や人の引き付け方なども記載されており、どれもビジネスにも応用可能なものなので、卒論の参考となる一冊だった。

著者 ジャック・シェーファー
元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法
2015年 大和書房

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