【書評】賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか

ここ日本では他の国々と比べても一人当たりの食品ロスを多く発生させている。消費者側は賞味期限切れの処分、食べ残し、小売店では期限よりかなり前に商品の撤去。その結果まだ食べられる食品を大量に捨て食品ロスを大量に作っている。本書では、食品ロスが生まれる理由を主に賞味期限の設定に関する観点から説いている。食品業界の、賞味期限までの三分の一を納品期限、次の三分の一までを販売期限とする三分の一ルールがあることなど、賞味期限に関する裏話を読者に伝えようとするのが目にとれる。また、食品ロスを企業などから預かり、食糧難民に無償で提供するフードバンクについての描写がかなり目立つ。こちらに関しては施策内容については食品ロスを減らすやり方として良く描写されているが、予算などのその負の面に関して書かれていないので、鵜呑みにはできないと感じた。全体的には、賞味期限を鵜呑みにしてはいけないなどと、消費者側を諭すような描写が多く、様々な施策が多く書かれているので、改めて食品ロスのことについての現状を知り、考えるには良い本だと感じた。 賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか-井出 留美 著 幻冬舎文庫 

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