実験社会学

われわれはミュージックラボと名付けた実験を行った。実験サイトを訪れた会員は無名のバンドの曲を聴いて、採点し、望むならダウンロードするように依頼される。一方では被験者には曲名しか示されないが他方の被験者には以前の被験者がダウンロードした回数も示される。ここで明らかになったのは他人が何をダウンロードしたかについての情報があると、人々は累積的優位の理論が予想するとおり、確かにそれから影響を受けることだった。だが同時に社会的影響を持ち込むと、不均衡性だけでなく予測不能性も増していた。予測不能性は市場そのもののダイナミクスにもとから備わっていたのだ。何より重要なのは競合する選択肢があるなかで被験者が選択をおこない、その選択が他人の選択についての情報から影響を受けたことだった。これは知的職業についている成人を採用した実験でも同様の不均衡性と予測不能性が生じていた。
この実験が明らかにしたものは、グラノヴェッターの暴動モデルから導かれる基本的な洞察に著しく似ていた。個人が他人の行動から影響を受けるとか、似たような集団であってもやがて大きく異なる行動を取りうるということだ。

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