経営環境の変化

1950年代以降、学校の自律性が低下したことへの危機感から「教育経営」の概念が形成されたが、近年は規制緩和・分権化、公教育の枠組みの揺らぎ、学校教育の相対化により、学校経営の目的・組織・権限が大きく変化している。これにより、学校には主体的判断や責任遂行が含まれる自律化と教職員・家庭・地域の連携の協働化が同時に求められる。しかし、制度改革は学校現場に十分反映されず、忙しさだけが増す「教育改革病」も指摘される。したがって教育経営研究は、理念提示だけでなく、学校の現実を的確に捉えた実証的・実践的研究へ転換する必要がある。具体的には、学校と研究者が協働して課題解決に取り組む臨床的アプローチやアクションリサーチが重要視される。教育経営研究は、理論と実践を往復しながら、学校の自律性・協働性を高める仕組みづくりに貢献すべきだと結論づけている。

『変動する学校経営環境と教育経営研究』佐古秀一,2003年

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