米政府は14日、中国製の電気自動車(EV)に現状の4倍に当たる100%の制裁関税を課すと発表した。半導体や太陽光パネル、鉄鋼・アルミなど総額180億ドル(約2.8兆円)分の輸入品の関税を上げる。
不公正な取引慣行に対する制裁措置を定めた米国の「通商法301条」に基づく措置となる。2018~19年に当時のトランプ政権が発動した計3700億ドル相当の中国からの輸入品への制裁関税の一部を引き上げる。
米通商代表部(USTR)は22年から制裁関税の見直し作業を続けていた。今回の関税引き上げによって安価な中国製品を米国から締め出し、脱炭素関連の自国産業を育成する。
大統領選を控え、トランプ前大統領に対抗してバイデン大統領が保守的な姿勢を強く見せるための中国に対する措置にも考えられる。
この措置に対する中国の今後の動きに注目が集まっている。
5月15日 日本経済新聞 朝刊 1ページ