イノベーションが起こす経済効果 ケーススタディ②

次にイノベーションの影響で経済成長を成し遂げた具体例として日伸工業株式会社を挙げる。

滋賀県大津市の日伸工業株式会社は、小物精密金属プレス加工を行う中小企業である。1959年の創業以降、テレビ用ブラウン管部品の製造を主力として成長してきた。1990年ごろには国内家電メーカーの海外進出とともに、海外に工場を展開しシェアを拡大し続けた。しかし、2000年ごろからブラウン管テレビの需要減少と共に大きな売り上げの落ち込みを見せ、厳しい経営状況に陥った。しかし、2008年に自動車業界の部品製造事業に参入。元来のプレス技術力と自動車部品に合わせた新たな成型方法の開発というイノベーションを合わせることで、ブレーキ部門の世界シェア20%という自動車部品製造で確立した地位を築き上げた。自動車部品部門参入以後は右肩上がりの成長を続けているという。

以上から日伸工業株式会社は新たな市場へのチャレンジというマーケット・イノベーションと新たな成型方法の開発というプロセス・イノベーションの二つのイノベーションを活用し、経済成長を遂げた企業といえる。

 

03Hakusyo_part1_chap4_web.pdf (meti.go.jp)

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