地方公務員の採用方法を見直す動きが広がっている。試験内容の見直しや入庁時期の分散などを通じ、受験しやすい環境を整える。名古屋市は2022年度の採用試験から、事務職に新たな採用枠を導入し、その試験方法を従来の歴史や数学の知識の設問を廃し、時事問題などの問題を取り入れる。群馬県や秋田県などでは採用枠の一部に民間で広く使われている「SPI3」を活用している。総務省によると、地方公務員の受験倍率は長期的な低下が続いており、19年度では5.6倍と集計開始以降で最も低かった。民間企業の採用意欲が根強く、公務員志望者は減少基調であるため、各自治体は採用の門戸を広げ、優秀な人材を確保したい考えだ。
2022/06/12 日本経済新聞 朝刊2ページ