欧州鉄鋼大手SSABは、「水素還元製鉄」と呼ばれる製造法で作り、二酸化炭素排出量を大幅に抑えた鋼材の供給を始める。SSABはスウェーデンに本社を置く鉄鋼会社であり、2021年8月に水素還元製鉄と呼ばれる製造法の開発に成功した。この方法は還元剤として石炭の代わりに水素を使い、鉄鉱石から鉄を取り出すものである。製造時のCO2排出はゼロ近いという。日本では50年までに水素還元製鉄の実用化を目指す動きはあるが、地理的条件的に低品位な鉄鉱石を使う必要があり、鉄の品質にばらつきの出る恐れのある水素還元製鉄を使いにくいという。
(2022年5月24日 日本経済新聞 朝刊13ページ)