「長蛇の列=繁盛店」という常識が崩れつつある。東京都品川区の中華そば店「多賀野」は、数十メートルも延びていた行列を、最近は見かけなくなった。6月にリクルートの順番待ちシステム「Airウェイト」を導入したのだ。
店頭のiPadで来店人数や連絡先を入力すれば、行列に並んだことになる。番号券や画面のQRコードをスマートフォンで読み込むと、店から離れていても案内までの残り人数をリアルタイムで確認でき、順番が近づくと通知が届く。
番号札を使う順番待ちのシステムは、銀行や役所の窓口でも使われてきたが、導入コストが高い。
一方でAirウェイトの導入に必要なのはiPadとプリンターのみで、その簡易さが利用店増加の一因のようだ。
(日本経済新聞 朝刊 2020/11/17)