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作成者別アーカイブ: 悠雅 松永
米びつにIoTを
中国の家電開発スタートアップ企業の御米糧倉は、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」に対応した「スマート米びつ」を開発した。9月に1台399元(約6300円)で発売し、これまでに3万個以上売れたという。対話アプリ「微信(ウィーチャット)」のミニアプリと米びつをひも付け、IoTチップを用いて米の使用状況や残量を記録し、また米の鮮度や使用データをスマートフォンからリアルタイムで確認できる。残量が少なくなれば買い足しのタイミングを事前に検知し、アプリから発注でき、72時間以内に新鮮な米が届く。通常の米びつは売り切りで消費者の手に渡ればビジネスは終わりだが、コメの販売サービスをセットにして消費者と長く付き合う狙いだ。新たなキッチン家電として普及を目指す。 (2020/11/05 日本経済新聞朝刊 15頁)
アントグループ、香港上場を延期
アリババ集団傘下の金融会社、アント・グループは3日夜、香港、上海で計画していた新規株式公開(IPO)を延期すると発表した。経営権を実質的に握るアリババ創業者、馬雲氏が2日に金融当局の聴取を受けたことが理由。金融当局がマー氏やアントの首脳の聴取に踏み切った背景には金融システムを巡るマー氏の発言があった。マー氏は10月下旬の上海市の講演で「良いイノベーションは(当局の)監督を恐れない。ただ、古い方式の監督を恐れる」などと述べていた。アントは銀行への融資先の紹介や信用評価の提供を収益源にしている。従来にない経営モデルで高成長を遂げた背景があり、マー氏の発言は金融当局の監督手法の遅れに不満を示したとの受け止めが多く、当局の不興を買ったとみられる。上海証券取引所は当局による聴取を問題視し、3日、アントが上場基準を満たさなくなる可能性を指摘した。民間主導で発展してきたフィンテック分野でも、国家の統制が強まりそうだ。 (2020/11/04 日本経済新聞朝刊 1頁)
中国、難民受け入れでカナダに警告
中国の叢培武駐カナダ大使が、カナダ政府に対し香港のデモ参加者らを難民として受け入れないよう警告し、波紋が広がっている。叢大使は15日、中国メディアや現地報道機関の取材に応じ、カナダ政府が香港人の難民申請を受け付けていることを問われて「香港の暴力的な犯罪者らの政治亡命を認めないようカナダ政府に強く求める」と強調した。 大使は「香港にいるカナダ国籍の保持者30万人の健康と安全、香港にたくさんあるカナダ企業を思いやるのであれば、中国政府の取り組みを支持すべきだ」と発言。カナダが中国政府の香港政策を支持しなければ、香港在住のカナダ人の安全や企業の活動にも影響が出かねないとほのめかした。香港国家安全維持法は外国人も対象にしている。「企業や団体も対象」と定め、刑事罰を受けた場合「営業の停止または免許や営業許可証を取り消す」とする。同法違反とされれば香港でのビジネス継続が不可能となる。カナダ政府は反発し両国間の緊張が高まっている。 (2020/10/23 日本経済新聞朝刊 11頁)
TikTok、中国事業で上場検討か
中国ネット大手のバイトダンスが、世界100カ国以上で事業を展開する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の中国事業の新規株式公開(IPO)を検討していることが分かった。米国ではトランプ政権から圧力を受ける一方、中国内の利用者数は6億人を超え、成長が続く。さらなる事業拡大に向けた資金を調達する狙いがありそうだ。バイトダンスの関係者が「上場に向けて投資銀行と初期の話し合いを始めた」と明らかにした。上場先は香港か上海の証券取引所が浮上している。ティックトックは米国や日本など海外では「TikTok」、国内の中国版では「抖音(ドウイン)」の名称でサービスを展開している。このほかニュースアプリなども手掛ける。このうち、抖音事業を分社して上場を目指すとみられる。 (2020/10/27 日本経済新聞 2頁)
アリババ、大手スーパーを買収、生鮮品市場へ投資
中国ネット通販最大手のアリババ集団が生鮮品市場に本腰を入れる。19日、約3800億円を投じてスーパー大手のサンアート・リテールを子会社化すると発表した。以前までは野菜や肉、魚などの生鮮品は「手に取って品質を確認したい」という消費者が多かったが、コロナ禍では外出が制限された。これを機に生鮮品もネット宅配需要が拡大。利便性を実感した消費者はコロナの影響が収まっても利用を続け、口コミなどを通じて実店舗からネット宅配へのくら替えが広がっている。店舗を巨大な倉庫と見立て、ネット宅配の拠点としても活用。スマホで注文すれば近隣の店舗から30分前後で届くサービスなどを展開し、ネット宅配の拠点を拡大した上でサービス地域を広げたり、配送にかかる時間を短縮できる見込みだ。 (2020/10/20 日本経済新聞朝刊 8頁)
アント、香港で上場、勢力を拡大。
中国アリババ集団傘下の金融会社アント・グループの株式上場を、香港取引所が承認したことが19日に、分かった。上海証券取引所は9月に上場を承認しており、アントが目指す上海と香港への同時上場の実現が近づいた。新規株式公開(IPO)で調達する額は最大350億ドル(約3兆7千億円)になるとの見方が出ている。アントはスマートフォン決済「支付宝(アリペイ)」や運用商品「余額宝」などのサービスを手掛ける。アリペイの年間ユーザーは世界で10億人を超える。米国ではアントを事実上の禁輸リストにあたる「エンティティー・リスト」に追加する制裁案が浮上しているとされる。ただ、アントの事業の大半は中国本土のため、制裁が発動されても業績への影響は限られるとの見方が金融市場では多い。 (2020/10/20 日本経済新聞朝刊 1頁)
トランプ政権、アントへ制裁検討。
米ブルームバーグ通信はトランプ米政権が中国アリババ傘下の金融会社アント・グループに対する制裁を検討していると報じた。同社の決済システムが米国の安全保障の脅威になっているとの懸念があるという。具体化するかは不透明だが、実現すればテクノロジーを巡る米中対立は一段と深刻になる。アントはスマートフォン決済サービス「支付宝(アリペイ)」を手掛け、世界で10億人が利用している。米政権はアリペイを通じた決済関連データが中国政府に渡る可能性を警戒しているとされる。同政権はデータを扱う通信、スマートフォンのアプリ、クラウドサービスなどで中国企業の排除を目指す「クリーンネットワーク」計画を掲げている。 (2020/10/9 日本経済新聞 朝刊10頁)
台湾総統、中国をけん制
台湾の蔡英文総統は10日、中華民国の建国記念日の祝賀式典において圧力を強める中国を念頭に「我々は民主を守るため、理念の近い国家との連携を深めていく」と演説した。発言の背景には中国との間で主権を争う台湾問題があり、今年においても米台の接近にいら立つ中国は軍機を中国大陸と台湾を隔てる海峡線を度々越えて台湾側に侵入させるなど、軍事的な威嚇を続けてきた。蔡総統は「我々は戦争はしない。だが弱さや譲歩は平和をもたらさない」と強調した上で「強い決意と強さを持つ防衛が台湾の平和を守る」とも述べ、今後も軍事力の強化を進める姿勢を示した。 (2020/10/11 日本経済新聞 朝刊5頁)
新興国にて、貧困層の増加
世界銀行は29日に発表した東アジア・太平洋地域の新興国の最新の経済見通しの中で、同地域の貧困層が20年中に950万~1260万人増えると推計した。新型コロナウイルスの感染拡大で失業者が増えたり、手取りの給与が減ったりしているためだ。世銀は当初、新型コロナの発生前は同地域に住む約3300万人の人が、20年に貧困層から脱することができると予測していた。世銀は新型コロナが「継続的に減ってきた貧困層の数を反転させ、新たな貧困階級を創り出している」と指摘。政府の支援策が収入が減少した家計の4分の1にも行き渡っていない国があるとして、弱者救済策の重要性を強調し、諸国に制度改善を促した。 (2020/9/29 日本経済新聞 3頁)
中国、対ウイグル政策を肯定。
中国の習近平指導部は25、26両日、北京で新疆ウイグル自治区に関する重要会議「中央新疆工作座談会」を開いた。習国家主席は「共産党の統治政策は完全に正しく、長期間にわたって必ず堅持すべきだ」と強調した上で「イスラム教の中国化を堅持せよ」と述べた。さらに「中華民族共同体の意識を心の奥底に根付かせよ」とも語り、共産党の指導をイスラム系少数民族などに徹底するように指示した。習氏は14~19年に新疆の1人当たりの可処分所得が年平均9・1%増だったと主張し、「新疆の経済社会の発展と民生の改善はかつてない成果を達成した」と誇示した。中国の新疆ウイグル政策を巡り、欧米諸国との溝はさらに深まりそうである。 (2020/09/29 日本経済新聞 9頁)