アントグループ、香港上場を延期

アリババ集団傘下の金融会社、アント・グループは3日夜、香港、上海で計画していた新規株式公開(IPO)を延期すると発表した。経営権を実質的に握るアリババ創業者、馬雲氏が2日に金融当局の聴取を受けたことが理由。金融当局がマー氏やアントの首脳の聴取に踏み切った背景には金融システムを巡るマー氏の発言があった。マー氏は10月下旬の上海市の講演で「良いイノベーションは(当局の)監督を恐れない。ただ、古い方式の監督を恐れる」などと述べていた。アントは銀行への融資先の紹介や信用評価の提供を収益源にしている。従来にない経営モデルで高成長を遂げた背景があり、マー氏の発言は金融当局の監督手法の遅れに不満を示したとの受け止めが多く、当局の不興を買ったとみられる。上海証券取引所は当局による聴取を問題視し、3日、アントが上場基準を満たさなくなる可能性を指摘した。民間主導で発展してきたフィンテック分野でも、国家の統制が強まりそうだ。
(2020/11/04 日本経済新聞朝刊 1頁)

CDFD7CFF-1BCB-46F2-89D0-6AB4FE42AB92

カテゴリー: 新聞要約   パーマリンク

コメントを残す