作成者別アーカイブ: 鈴木 あつみ

放射線への耐性持つクマムシ固有のたんぱく質を発見

東京大学がクマムシのたんぱく質に放射線への耐性を高める働きがあることを突き止めた。研究グループは放射線耐性の強いヨコヅナクマムシに注目し、「Dsup」と呼ぶクマムシ固有の新たなたんぱく質を発見した。これをヒトの培養細胞に導入したところ、通常の培養細胞は増殖できなく強い放射線を照射しても増殖し続けた。クマムシは放射線以外にも乾燥、低温、高温など厳しい環境にも耐えられることで知られ、今後はこれらの耐性に関わるたんぱく質もゲノムから探していく予定だ。 2016.9.21 日経産業新聞 朝刊

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体外受精における2014年の集計を発表、実施・出生が過去最多に

日本産科婦人科学会は、国内の医療機関で2014年に実施された体外受精が39万3745件で、うち4万7322人の子供が生まれたと発表した。国内では1983年初めて誕生して以来体外受精で生まれた子は累計43万1626人。実施件数の4割は40歳以上が占めていたが、出産に至った割合は30歳で20.6%、35歳で18.1%、40歳で8.8%、42歳で4.4%と加齢と伴に低下した。晩婚化などを背景に不妊治療は年々拡大し、実施件数、出生数ともこれで過去最多の数値となった。 2016.9.17 日本経済新聞 朝刊

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米で三人の遺伝子持つ子供が誕生

新たな体外受精の技術で、三人の遺伝子を受継ぐ子が誕生したと、NYの不妊治療クリニックのチームが明らかにした。ミトコンドリアに異常をもつ卵子から核だけ第三者の卵子に移植し精子と体外受精させることでミトコンドリア病の予防になると期待され英国でも臨床応用が承認された。だが安全が確立された訳ではなく、移植による核の入替え実験では異常なミトコンドリアが混じり増殖したと示すものもある。この実験を行った慶応大学山田助教授は、安全性や長期的影響は分かっておらず、丁寧に予後を見ていく必要があると指摘する。 2016.9.29 朝日新聞 朝刊 総合面

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昆虫の特徴を真似てロボットに応用

災害時に役立つ技術開発に昆虫の機能が注目されている。東京大学は蛾の触角をにおいセンサーとして搭載した二輪走行の探知ロボットを開発した。室内実験では空気中のにおいを辿って数十cm離れた発生源にほぼ100%の確立で辿り着けた。ヒトのにおいを検知するたんぱく質を触角に組み込めばヒトのにおいにも反応できる。また工学院大はアメンボを真似た水面移動ロボを開発。アメンボの足の特徴を模倣し、表面張力で水に浮き移動する。ヒトが立ち入りにくい水面での放射線量測定等に役立てる考えだ。 2016.9.26 日経新聞 朝刊

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遺伝子組み換え植物およそ290個体が流出

奈良先端科学技術大学院大が研究用に育てていた遺伝子組み換え植物訳290個体が施設内から野外へ流出していたことが分かった。遺伝子の働きを調べるためにアブラナ科のシロイヌナズナの遺伝子改変をしていたが、周囲の環境や人体に影響する遺伝子は使っていないという。温室の半径訳20m圏内で確認されたものは既に除去済みで、シロイヌナズナの繁殖特性上拡散の可能性は低いというが、およそ20~30種の遺伝子改変シロイヌナズナが約一年前に流出したとみられるため、今後定期的なモニタリングを実施する予定だ。 2016.5.11 日経新聞 朝刊

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学会でゲノム編集技術関連の第一回大会を開催

今月、ゲノム編集に関する初の大会が広島で開かれた。ゲノム編集を使う研究は倫理的障壁の低い農水産分野で進んできたが、今回の学会では医療応用を目指した発表が相次いだ。京都府立医科大学は「クリスパー・キャス9」という最新の編集技術を用いて病気の遺伝子の修復に成功し、京大はワクチン製造に使うDNAに入り込んだウイルスの遺伝子の除去に成功した。ゲノム編集の臨床応用への期待は高まるが、人の遺伝子改変をも可能にする為、学会は倫理面や規制のあり方を検討する委員会を設置し適切な枠組作りの整備を進める計画だ。 2016.9.19 日経新聞 15面 

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遺伝子交雑を防ぐ不妊魚、量産技術に期待

東京海洋大、熊本大などのグループが「不妊魚」を大量生産する技術を開発した。生殖細胞が正常にできないよう遺伝子改変した魚から、生殖細胞のもととなる「精原細胞」を取り出し代理親に移殖することで、生殖能力を持たない不妊魚を産み続ける。この技術は精原細胞自体を代理親に移殖するため、不妊魚をつくるのに一回ずつ遺伝子を編集する必要がない。大量生産を可能にし、比較的低コストで実用化が見込めると期待されている。また品種改良した養殖魚の脱走による野生魚との遺伝子交雑を防ぐ方法としても期待が寄せられる。 2016.8.15 日経産業新聞 6面

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新型出生前診断、3年間で3万人以上受診

妊婦の血液から染色体異常を調べる「新型出生前診断」の検査を3年間で計3万615人が受け、547人が陽性と判断された。また羊水検査等で異常が確定した417人の内94%が人工妊娠中絶を選択したという。臨床研究を実施する病院グループの関沢教授は「当事者たちが悩んで出した最終的な決断は尊重されるべきだと考える」と話し、「臨床研究としての目的は終えつつある。一般診療への移行に向け議論すべき時期だ」と話している。 2016.7.17 朝日新聞 朝刊 社会面

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ゲノム編集、利用はどこまで

遺伝情報を変えられるゲノム編集技術「CRISPR/Cas9」を発見したシャルパンティエ博士が朝日新聞の取材で「この技術はヒトの生殖細胞で使うべきではない」と語った。CRISPR/Cas9は元々細菌がウイルス感染から身を守るための仕組みで、シャルパンティエさんらは遺伝性の病の治療に生かす研究を進めているが、ヒトの生殖細胞の遺伝子も変えられるため、デザイナーベビーに繋がることを懸念している。「生殖細胞への利用は危険性があり正当化されない。病気の治療や予防に使うべき」と訴えた。 2016.7.14 朝日新聞 科学面

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鈴木担当本

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