書評 『4000万人の購買データからわかった!売れない時代にすぐ売る技術』

本書は、楽天のECサイトである「楽天市場」のプロデューサーとして、4000万人を超える日本最大級の購買データを分析してきた著者が、データをどう収集・活用すれば商品が売れるのかを述べたものである。

第1章『人はウソをつくけど、データはウソをつかない』では、どんな企業にもデータはあり、データを分析することで、人間の勝手な思い込みを排除でき、売上アップに直結する的確な施策を打てるようになると述べられている。

第2章『売れる法則の「基本」を知っておこう』では、「売上=訪問数×転換率(コンバージョン)×客単価」という公式が成り立つとし、この売上を構成する3大要素のデータを集め、分析することで店が抱える問題点や、今なすべき対策が見えてくると説明されている。

第3章『どんな商品が勝手に売れていくのか』では、第2章で説明されている売上を構成する3大要素のうち、最も重要なのは転換率であると述べられている。転換率は、企業努力、あるいは個人の努力によって最小の手間で劇的な改善が期待できる唯一のポイントであるとしている。ただ、どんなに転換率や客単価が高くても、店に人が来なければ意味がないため、まず訪問数を上げる必要があるが、そのために効果的なのは広告であると述べられている。そこで、広告にはどのような種類があるのか、それぞれの特色がまとめられている。

第4章『どんなモノでも確実に「すぐ」売る技術』では、転換率を上げる方法を様々な実例を用いて述べられている。例えば、ネットユーザは広告の文字を読まないというデータが出ているため、写真8割テキスト2割の広告が望ましいということや、昨年の検索ワードを活用して、季節やイベントに合わせた企画を打ち出すとよい、などといったことが紹介されている。

データをどのように活用すれば、売上向上につなげられるのかを知りたいと思い、本書を選んだ。たとえ小さな店で母数が少なくても、客数や単価を紙にメモするだけでも立派なデータになると書かれており、少し驚いた。データを扱う上で、いかに必要な情報を集め、それをどのように分析し問題点を解決していくかが重要なのであると学んだ。今後は、データを集めるのに役立つ最新の技術などについても調べてみたいと思う。

大原昌人著  株式会社サンマーク出版  2019年10月10日発行

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