パナソニックは28日、半導体事業を台湾の新唐科技(ヌヴォトン・テクノロジー)に売却すると発表した。事業子会社の全株式を2020年6月をメドに、2億5000万ドル(約270億円)で売却する。かつては世界の上位10社に入っており、パナソニックは半導体を自社の家電製品に多く組み込みんでいたが、韓国・台湾勢の低価格攻勢を受け 売上高は最盛期の5分の1程度となる1000億円規模まで減少した。赤字が続いた液晶パネル事業と半導体事業について、20年3月期の黒字化を必達目標としてきた。工場売却など構造改革を進めたが、半導体子会社の営業損益は19年3月期に235億円の赤字で、20年3月期も黒字化は難しくなっていた。パナソニックは再建を断念して撤退する。構造改革はまだ道半ばだ。
(日本経済新聞 2019/11/29)