卒論 事例研究

ユニクロでは2017年よりEC専用の物流機能を有した有明の新拠点をベースに実店舗とネットの融合を本格化している。中でも顧客接点の改革という意味で、コミュニケーション機能を持つ公式アプリの会員数を増やすことでEC上での販売状況などを詳細に把握し、その情報を基に商品開発のサイクルを回していくことを目指している。2018年7月には人工知能(AI)を活用したチャットボット「UNIQLO IQ」の運用を本格的に開始した。「UNIQLO IQ」はアプリの中で起動するAIコンシェルジュ。会話形式で商品情報や着こなしの検索、店舗の在庫確認、オンラインストアでの購入などをサポートする。よくある問い合わせへの対応や、必要に応じてカスタマーセンターのオペレーターへの接続も行う。
2018年4月にはECサイトで注文した商品を店頭で受け取ると、送料が無料になる配送サービスを開始。ECサイトを利用した場合、購入金額が5000円未満で配送料が450円かかるが、店頭受取サービスを利用すると購入金額に関わらず送料が無料になる。このサービスは、購入した商品を近くの店舗で実際に手にとって確かめることができ、その場で試着することも可能。サイズが合わなかったり、イメージと違った場合でも、そのまま店舗で返品・交換することもできる。また、店舗でお買物中に品切れしている商品の取り寄せにも利用でき、送料無料で近くの店舗で受け取ることも可能となっている。宅配値上げが進む中、送料無料で受け取りたい顧客のニーズをうまく捉え、件数ベースではECの約3分の1が同サービスを利用するほど伸長している。
ファーストリテイリングが2018年10月11日に発表した2018年8月期通期連結決算によると、国内ユニクロ事業におけるEC売上高は前期比29.4%増の630億円だった。売上高に占めるECの割合は7.3%(前期は6.0%)に上昇しており、リアルとの融合は着実に進行していることが伺える。

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