イランのザリフ外相は1日、貯蔵する低濃縮ウランが、核合意で定められた制限量(202.8キロ)の300キロを超過したと明らかにした。2016年1月の合意履行の開始以来、イランが明確な形で制限を破ったのは初めてだ。イランは5月8日に、米が核合意から離脱して制裁を再開した報復として合意履行の一部停止を宣言。核合意当事国の英仏独などに、60日以内に原油取引などで改善が見られないなら7日に履行停止の第2弾ウランの無制限濃縮などを行う姿勢を打ち出している。ウランの濃縮率を上げれば本格的な核開発に繋がりかねないとの懸念が強いため米トランプ政権との対立は深刻な局面に入りかねない。
(朝日新聞朝刊7/2 9面)