[卒論]ラオックスと蘇寧(そねい)電器

中国の家電小売販売会社である蘇寧電器は、海外市場を開拓することを目的に、2009年6月24日にラオックスを買収した。ラオックスは元々、日本の家電量販店である。関東地方を中心に100店舗を超える規模で展開していたが、2000年代後半からの主力のパソコン販売の落ち込みや、家電量販店間の競争に敗れたことによる経営の悪化で直営店は一時、秋葉原のみにまで縮小した。蘇寧電器は、秋葉原にリソースを集中させるラオックスに、年々増加する中国からの観光客を呼び寄せて、蘇寧電器でアフターサービスを行うビジネスを行おうとした。ラオックス側には、中国からの観光客に対応できることや、蘇寧電器の社長が2006年から日本で中国人向けに免税店などを売る日本観光免税の社長を務めていたことから、免税店の経営に関するノウハウを身につけられることのメリットがあると考えた。
ラオックスはその後、日本国内でインバウンド向け免税店として最大規模を誇るまでに復活してきた。2014年12月期の連結売上高は前年比1.5倍の500億円を超えた。純利益は12億円と、14期ぶりの黒字を確保した。2015年には、流行語大賞にも選ばれた「爆買い」の影響もあり、純利益は約85億円まで拡大した。
しかし現在、「爆買い」は以前ほどの盛り上がりはない。ラオックスは今後、蘇寧電器などの中国企業と連携し、中国人向け電子商取引サイトの拡充や、中国主要都市でのショールーム開設などに取り組む。これまでの免税店事業を拡充した、リテール事業で、更なる成長を目指す。

参考

https://maonline.jp/articles/laox20180412

【ラオックス】中国人観光客頼みからの脱却 M&Aなどで売り上げ2・5倍に
2018年11月6日アクセス

https://diamond.jp/articles/-/5601

中国家電量販店の実情と、蘇寧電器・ラオックス連合の意味
2018年11月6日アクセス

https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/278209/102100005/

黒字化したラオックス、「変わり身経営」の全貌
2018年11月6日アクセス

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