[卒論]パナソニックと三洋電機

日本の電機メーカーであるパナソニックは2011年4月1日に、同じく日本の電機メーカーである三洋電機を買収し、完全子会社とした。三洋が世界に誇る技術を持つ、太陽電池やリチウムイオン電池事業に目を付け、その事業で2社の技術を組み合わせ、一気に世界上位にたつことが狙いで買収した。しかし、この買収は完全に失敗と言われている。原因は、三洋の強みであったリチウムイオン電池が、韓国・サムスン電子に完敗したことだと考えられる。そして、買収前の2社の技術を組み合わせるという狙いについて、見込みが甘かったことが明らかになっている。それは、両社の電池技術は根本的な思想が違い、技術を相互利用できる部分が少なく、ゼロから設計し直さなければならなかったことである。更には、日本企業が国産材料に固執する一方で、韓国勢は、安い中国産の材料を使って品質を維持する努力をしてきたこともあり、パナソニックは電池事業で失敗した。
しかし、経営者側は三洋の買収は失敗ではないと言う。これまでのパナソニックでは手薄だった太陽電池や車載用電池という成長分野を手中に収められたとの理由だ。ただ、この分野においても、価格競争は避けては通れず、先は決して明るいわけではない。
日本企業同士の合併で互いの技術を活かそうという狙いであったが、結果的に失敗となった例を挙げた。経営陣の見通しの甘さや、技術にこだわるあまりに販売競争に敗れるという典型的な日本のメーカーの失敗例となってしまった。

参考

https://toyokeizai.net/articles/-/8612

パナソニックの大誤算、三洋買収で巨額損失(2012年2月21日)
2018年11月7日アクセス

https://biz-journal.jp/2012/11/post_985.html

2年連続巨額赤字…パナソニック敗戦を徹底分析(2012年11月12日)
2018年11月7日アクセス

https://www.j-cast.com/2008/11/05029757.html?p=all

パナソニックが三洋買収 狙いは「太陽電池とリチウム電池」(2008年11月5日)
2018年11月7日アクセス

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