想像上の原因 要約

遅い決定論とサンプリングバイアスはともに、常識に基づく説明に対して、「前後即因果の誤謬」と呼ばれる欠点をもたらす。Aの後にBが起こったことは必ずしもAがBの原因であるということにはならず、妥当なものとそうでないものの区別が必要である。しかし、社会現象を論ずる上での”常識”はあらゆるたぐいの原因らしきものを妥当に見せかけるのに非常に長けていて、一方で歴史は証拠の大部分を捨て去り説明すべき事柄の流れを一つだけにすることに長けている。その二つが結託して何もないところに因果応報の幻想を生み出している。このようにして常識と歴史に基づく説明は、一見「なぜ」物事が起こったかを教えているように思えても、実は「何が」起こったかしか述べていないのである。

カテゴリー: 新聞要約   パーマリンク

コメントを残す