中国政府が新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策をめぐる新たな緩和策を示した。人やモノの流れを少しずつ正常化させて需要を回復させる狙いだ。緩和の背景には中国の景気停滞がある。雇用の悪化で所得不安が強まり、節約志向が広がった故の停滞といえる。この緩和は、企業や家計の先行き不安を払拭するものになり、市場のマインドを強力に押し上げるだろう。ただ感染が再拡大した際の対応は読めず、経済押上げ効果が速やかに出てくるかは不透明さが残っている。
(2022年12月8日 日本経済新聞 朝刊2ページ)
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