新年度の慣れない環境のなかで緊張が続いていた人も、ゴールデンウイークで一息ついていることだろう。生活のリズムが変わったときには精神的なバランスを取りにくくなる。心の不調に陥りやすいこの時期によく使われる言葉に五月病があるが、当初この言葉は、将来の夢を持って入学してきた新大学一年生が、何百人も入る大教室で講義を受け、高校での濃密な授業とのギャップから孤立感を感じるこころの変調を意味していた。現実が目につきやすいこの時期は、一人で頑張りすぎず、何かあれば信頼できる人に相談すると上手に問題に対処できるようになる。
五月病、一人で頑張らない(こころの健康学)
2022/05/03 日本経済新聞 朝刊 25ページ