中国、一帯一路計画を進める。地元では反発か。

中国の広域経済圏構想「一帯一路」の要所、パキスタン南部の港湾都市グワダルで有刺鉄線の敷設が進んでいる。中国が運営する港湾設備の安全性を高める狙いだ。地元市民や一部の政治家は強く反発している。グワダルは、500億ドル(約5兆2千億円)の事業規模で進むパキスタンの一帯一路計画の中心地だ。グワダルが位置するバルチスタン州政府は同市の24平方キロメートルをフェンスで囲う計画で、地元メディアの報道によると出入り口は2カ所のみ。500台以上の監視カメラが設置されるという。バルチスタン州のジャム・カマル首相は、「グワダルの一部地域で安全を確保する措置を講じているが、対象地域以外では都市全体が開放されており、誰にとっても問題は生じていない」と記者団に語った。だが、市民や野党からは反対の声が挙がる。野党連合のパキスタン民主運動は声明で「フェンス敷設はグワダルでの交易と人々の自由な移動を制限する」と主張し、即時中止を要求した。
(2020/12/16 日本経済新聞朝刊 8頁)

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