EU 脱プラ推進の理由

EUが脱プラスチック規制を推し進める背景として、以下の三点が挙げられる。
第一に、EUは環境問題やサスティナビリティといったグローバル・アジェンダに対しては常にイニシアティブをとっていく強い政治的意思があることだ。厳しいEU環境規制を設定することで、それを満たさない第三国企業の商品に参入障壁を構築するとともに、こうした規制をアジアなどグローバルに展開することによって、欧州企業のグローバル進出を後押しする狙いがある。
第二は、中国が環境対策のため2017年12月31日をもってプラスチックごみの輸入を禁止した影響だ。これにより、欧州におけるプラスチックのリサイクル市場の拡大が待たれる状況だが、欧州におけるプラスチックごみは洗浄・分別が不十分であることが多く、簡単に廃プラ・リサイクル産業が成長するという環境にはなっていない。そのため、リサイクル技術のほか分別回収システムといったインフラ整備が必要である。
第三は、2019年5月23-26日の欧州議会選挙の影響だ。5年に一度の政治的サイクルの中で、現行の欧州議会の解散までに採択されなければその法案の議論は振り出しに戻る恐れもあるため、2019年春にかけて締め切り効果が顕在化した。

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