書評『相貌心理学序説』顔立ちと性格

本書は顔立ちと心理的な人格特性との間に法則が成り立つことを証明する相貌心理学の基礎に関して著したものである。またこの本で示されるいくつかの規則は、単純な類型から複雑な類型へと説き進められており、最終的には日常生活で出会う人々の独特な類型にたどり着くための手助けとなるように構成されている。

まず最初に顔立ちについての説明がされる。顔立ちの分析には3つ視点がある。外枠・感覚受容器(目や鼻のこと)・肉付きである。そしてこの3要素を基礎に、拡張ー縮小の法則や緊張の法則、可動性の法則などの要素を付け足していき、そこから人格特性を読み解いていく。

前回の本では初対面における顔と言語情報について学んだが、「好ましい顔」についての具体例が記されていなかったため少し消化不良ぎみだった。そこで、今回は気になっていた「顔」に主眼をおいて本書を選んだ。実際に読んでみて、顔から得られる情報量の多さに驚きを感じた。試しに知り合いの顔で実証してみたところ、どうにも私の把握している性格とは齟齬が生まれる。本書にも記されていた通り、実物は複雑で難しいものだった。更なる学びが必要であることを実感できた。

著者 L.コルマン
訳者 須賀哲夫、福田忠朗
北大路書房 2015年出版

カテゴリー: 新聞要約   パーマリンク

コメントを残す