マネジメントの心理学 経営心理学入門

本書は古典から現代までマネジメントの理論をさまざまなテーマやコンセプト、つまり複数の側面からしっかり学ぶことを目的としたものである。そこから実際の企業の事例に基づいて、マネジメントにおいて気をつけなければならないことを考えていく。

活動を「みんなでうまくやる」ためには何かが必要であるが、その何かこそがマネジメントであるといってもいいだろう。その何かは具体的に動機づけであったり、リーダーシップであったり、組織構造であったりする。

動機づけについて、代表的な例として「動機づけ・衛生理論」がある。企業のマネジメントや人間関係、作業条件、給与などのいわゆる仕事をする環境にかかわる衛生要因は、不備があると働く人たちの不満が発生するが、不備がなかったからといってやる気になるわけではない。一方で仕事の達成、責任、昇進といった仕事に直接かかわる動機づけの要因は職務満足に影響し、より高いレベルで仕事への動機づけにつながることがわかった。

また、マネジメントには唯一最適のものはなく、様々な要因が生産性の増減につながるため1つの側面だけを見ているだけでも不十分である。ここで1つ実例をみる。あるコンサルティング企業では技術的側面にのみ焦点を当てたナレッジ・マネジメントを進めていたが、システムが業務プロセスにうまく整合していなかったために失敗に終わった。この失敗を踏まえて組織変革に焦点を当てた新たなプログラムを試作したところ成功し、そのプロセスから、モチベーションを通じたリーダーシップの必要性やナレッジ・マネジメントに対する考え方を変えることが必要であるということが明らかになってきたという。このようにマネジメントには唯一最適のものはなく、また人は様々な要因が生産性の増減につながるため1つの側面だけを見ているだけでも不十分である。

今回、職場でのコミュニケーションの重要性について学ぶためにこの本をとったが内容は思ったものとは少し違う部分も多くなってしまった。しかし、その中でも人間関係論や人間心理の基礎を学ぶことができ、さらには組織管理に関する様々な視点のマネジメントを見てきたことで、人間関係の重要性を改めて感じることができた。

マネジメントの心理学  経営心理学入門             中西 晶 著    2014年6月

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