【書評】人と機械の共生のデザイン 「人間中心の自動化」を探る

機械の力を借りながら、人がシステムを制御する形態は現代社会ではよく見られる。ただ、この機械は、機械の自立行動への不信感などの人と高度技術システムの衝突ともいえる問題を引き起こした。その問題解決のために、人を機械の上位に置き、最終決定権を人に与える人間中心の自動化と呼ばれるアプローチが生まれた。本書では、人と機械が互いの長所を伸ばし、短所を補うための考え方を明示することを目的とする。

自動化が進んだシステムで起こった事故には、機械の能力やモノの見方を知らずに、機械に任せきりにしていた例は少なくない。人間も今後、機械のことを知る必要があるとの主張は文系の私にとって、耳が痛い話であった。

自動化に伴う、人と機械とのトラブルの原因が列挙され、今後の機械と人間との将来を考察するには参考になる本であった。しかし、あくまで抽象論での考え方の提示だけで、具体的な解決策は書かれておらず、机上の空論ではないかと感じた。

人と機械の共生のデザイン-「人間中心の自動化」を探る-

稲垣 敏行 著 森北出版株式会社 2012年発行

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