(社説)新聞と言論 社会を単色にはしない

2014年10月15日 朝日新聞朝刊 14ページ

新聞に求められる言論機関としての役割は何だろう。新聞週間を機に考えてみたい。安倍首相の憲法への姿勢に対し、私たちは「憲法によって権力を縛る立憲主義に反する」と批判してきた。 一方、立憲主義には「多様な価値観の共存を実現する」というもう一つの大きな意味があると憲法学は教える。こうした違いがあることは、日本の言論空間が健全であることの表れだ。新聞の役割は、意見の対立をあおることではない。考える材料をいかに社会に提供できるかにある。そのことを改めて確かめておきたい。私たちの社会が、ひとつの色に染められてしまうことに抗するためにも。

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