1章

1章「リキッド消費の台頭」

この章では、数十年前のそれからは大きく変化を遂げた「消費」の形を説明する為に、特に現代において「リキッド消費」と呼称されるものについて紹介していく。かつての社会において圧倒的に主流であった消費の形態は、「モノを所有して消費する」という消費の仕方だった。特に日本の歴史の中では、戦後の高度成長期やバブル期に非常に盛んだった傾向であり、何かを所有すること、それ自体に価値が見出されていたとも言える。そんな消費と対になる概念が「モノを所有せずに消費する」という消費の仕方を表すリキッド消費である。これは、正に現代になってから注目され始めた消費の形態であり、リキッド消費という概念が生まれたのも、人類史的に見れば比較的最近の2017年のことだ。しかし、ここ最近で話題になっているという側面からして誤解されがちだが、リキッド消費とは数年単位で移り変わるようなトレンディな消費傾向を指す言葉ではなく、今後数十年という単位で議論されるべき、大きな流れである。とはいえ、人間の生活とは切っても切り離せない消費という大きな概念に、近年新たなスペクトラムが加わった、というのは些か想像がつきにくいかもしれない。だが、近代になってようやく見出されたというのにも、やはりそれなりの理由がある。一般的に「デジタル化の進展(それに伴うシェアリング・サービス、サブスクリプション・サービスの浸透)」や「所有から利用へ、というような人々の価値観の変化」、「環境意識の高まり」などが理由として挙げられているが、特に重要であると考えられるのは「デジタル化の進展」である。つまり、インターネットの普及とスマートフォンなどに代表される個人デバイスの普及だ。

(これ以降研究内容か、ソリッド消費の話になってしまう)

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