第2章:日本の地熱発電の現状

一方の日本は世界第3位の地熱資源ポテンシャルを有しながら、設備容量は世界全体(12,653MW)の約4%(526MW)にとどまっている。また、2015年度末の国内認可出力合計約231GWに対して地熱発電の比率は0.2%である。
日本の地熱発電が十分に活用されていない理由には様々な理由が存在している。
第一に、地熱発電の開発可能地域が多くの温泉地と重なるため、観光業との折り合いがつかないことが挙げられる。日本には数多くの温泉地があり、その温泉地は観光産業において重要な役割を果たしている。温泉業者や地域住民からは、地熱発電所の開発が温泉資源の枯渇や水温低下を招くのではないかという懸念が強くある。
第二に、規制や法的な制約が厳しいことだ。地熱資源が存在する地域の多くは国立公園や自然保護区域内にあり、開発が制限されている。
これら二つの要因は2011年の東日本大震災以降に規制緩和が行われたが、開発まで長い年月を必要とするため地熱発電量の増加には至っていないのが現状である。
次の章ではこのような課題点がありながらも地熱発電開発が成功した事例を紹介する。

カテゴリー: 新聞要約   パーマリンク

コメントを残す