第1章: 世界の地熱発電の現状
世界的に地熱発電を見ると、インドネシア、ニュージーランド、ケニア、トルコといった国々で急速に成長している。これらの国々は、政府の主導によって地熱発電の普及に積極的に取り組んでおり、設備容量の増加も顕著だ。例えばインドネシアは190MWという大規模な設備容量を誇り、これは他国を大きく上回っている。
世界全体での地熱発電の累計設備容量は2020年時点で15,945MWに達しており、フラッシュ方式が40%、バイナリー発電が約20%を占めている。しかし、非火山国を中心にバイナリー発電の導入が増え、近年では新規ユニットの50%がこの方式を採用している。その背景には近年厳しくなっている環境規制が要因の一つだと考えられる。