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作成者別アーカイブ: 勇輝 大橋
三井商船 船の脱炭素 帆を活用
海運業界でかつて船の動力源だった「風」を活用する動きが本格化してきた。商船三井は7日、大型の「帆」を搭載したばら積み船を初めて公開した。帆は繊維強化プラスチック(FRP)を使って軽量化し、最大瞬間風速で70メートルでも十分耐えられる強度を持つ。運航中は帆を効率よく伸縮させ日米航路でCO2を1割程度減らす。橋本剛社長は「20~30年代にかけては風の力や液化天然ガス(LNG)などを組み合わせ、温暖化ガスの排出量を日々減らしていく」と語った。 2022/10/8 日本経済新聞 朝刊 14ページ
テスラEV「モデル3」広がる価格差
米テスラが電気自動車(EV) の2大市場である米中で同一車種の価格差を広げている。主力の「モデル3」の最廉価グレードについては米国での価格が中国を約7840ドル(約110万円)上回るようになった。歴史的なインフレに伴う原材料価格などの上昇を受け、テスラは米国ではモデル3の最廉価グレードを過去1年半で24%値上げした。EVの普及により「つくればつくるだけ売れる時代」は過去のものになりつつある。ブランド力に頼る販売戦略は今後、練り直しを迫られる可能性がある。 2022/10/4 日本経済新聞 朝刊 15ページ
NY州、ガソリン車禁止 35年までに
米東部ニューヨーク州は29日、2035年までにガソリン乗用車の販売を禁止し、すべての新車を環境負荷の少ないゼロエミッション車(ZEV) とする方針を明らかにした。西部カリフォルニア州も35年までにガソリンのみで駆動する新車の販売を禁止する規制案を8月に決定している。ガソリン車の販売を規制する一方、EVの普及を後押しする規制が広がる。ホークル知事は指令のなかで、EVを買う消費者に対する補助額を1台当たり最大2000ドル(約29万円)にすると言及した。 2022/10/1 日本経済新聞 朝刊 14ページ
日本製鉄 藻類でCO2リサイクルの研究開始
日本製鉄は光合成をする微細な藻類を使って、二酸化炭素(CO2)をリサイクルする研究を始めたと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業で実施期間は24年度までの3年間としている。日本製鉄は、効率的な微細藻類の培養技術とバイオマスを製鉄工程に利用する技術の開発や、効率的に利用できる藻類の探索を実施する。微細藻類はCO2排出実質ゼロのカーボンニュートラル材料として期待されている。 2022/9/23 日本経済新聞 朝刊 14ページ
CO2抑え水素製造 30年までに9000万トン
経済産業省は26日、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素を活用する社会への転換をめざすための閣僚会議を開いた。製造時のCO2発生を抑える低炭素技術での水素の製造量を2030年までに世界で年9000万トンとする目標を設けた。しかし低炭素技術での水素は製造コストが高く普及に至っていないため、現在は天然ガスなど化石燃料を水素の原料とする場合が多くなっている。議長声明では水素と化石燃料のコスト差を解消する支援が重要と指摘した。 2022/9/27 日本経済新聞 朝刊 5ページ
書評「EVシフトの危険な未来」
筆者の藤村敏夫はTouson自動車戦略研究所代表、そして自動車・環境技術戦略アナリストである。本著で扱っている内容の大枠は電気自動車(EV)に偏った電動化を推進する政策の根本的な間違いを技術の面から証明していくことだ。EVへの傾注が苦境に陥る道である理由を紐解いていく。 1章 EVシフトは本物か 1章では2050年カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)に向け、過去に何度も膨らんでははじけている電気自動車(EV)シフトは今度こそ本物であるのかに焦点を当てる。2019年に開催された国連気候変動サミットの「2030年に2010年比で二酸化炭素(CO₂)45%減、2050年にCO₂ゼロ」という目標に向け、米国のカリフォルニア州は2035年に、日本は2030年半ばにエンジン車の販売を禁止する宣言がなされEV普及を後押しする政策を挙げている。一方でこのような政策の中EVは世間一般に思っているほどクリーンなものではないと紹介している。走行中のCO₂排出量はゼロだが電池製造時のCO₂の排出がかなり多く、エンジン車やハイブリッド車(HEV)製造時に比べて二倍程度のCO₂を排出する。航続距離の短さや充電時間の長さといった使い勝手の悪さや、必要な電池容量の多さ、補助金なしでは車両価格が高くなってしまって売れないことなどが紹介されている。そのためEVブームの勢いは補助金の打ち切りとともにしぼみ、過去と同じ轍を踏む可能性が高いと予想している。 2章 EVが今後の主流になる? 2章ではEVやEVを含むⅹEV(電動車)についてまとめられている。EVについては、移動体として重要な航続距離や質量、コスト、インフラなどの面で問題があり、完成度が未熟であると主張している。EVに傾注してCO₂の削減目標を達成できる根拠がないため、燃料のグリーン化(水素だけではなく、微細藻類バイオ燃料や再生可能電力を利用し水素と大気中のCO₂から製造する合成燃料であるe-fuel)の検討も含めてエンジン車からHEV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、EV、燃料電池車(FCV)までのすべての車種を開発する「全方位開発」が必要となる。その中でもHEVはEVに比べてエネルギー製造から輸送、車の走行にわたる全てのCO₂排出量が少ないため、HEVの導入の拡大を優先する必要があると述べている。 3章 EVはCO₂削減の切り札ではない 3章ではEVに限らず既販車のCO₂削減にも効果のあるグリーン燃料の導入とCO₂削減の政策について触れている。米国のカリフォルニア州のZEV(Zero Emission Vehicle;無公害車)規制や中国のNEV(New Energy Vehicle;新エネルギー車)規制などのエンジン車を廃止しEV販売に焦点を当てた政策を紹介しているが、それらは適正な技術の評価を行わずに自国の自動車業界の擁護のためにEVよりも環境によいHEVを除外する愚策であると主張している。HEVがZEVの対象から外れた背景には、米国のEV専業メーカーであるTesla(テスラ)やGMといった自国の自動車メーカーを優遇しようとするカリフォルニア州政府の思惑があった。中国は技術で太刀打ちできないという理由で日本の自動車メーカーに対してHEV外しを行った。グリーン燃料については、脱化石燃料のためにエンジン車の燃料を石油系燃料であるガソリンと軽油からバイオ燃料や合成液体燃料(e-fuel)などのカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量ゼロ)燃料やカーボンフリー燃料である水素に転換する必要があるとまとめられている。 4章 エンジンの潜在需要は高い 4章では、自動車の先進技術を俯瞰しつつ、エンジン(内燃機関)の改良技術について取り上げている。車両改良として車の動力源であるパワートレーン、燃料電池などのエネルギーソース、ボディー・シャシーの大幅な改良と、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)技術の確立が必要になる。その一例としてガソリンエンジンの最大熱効率(以下、熱効率)と熱マネジメントについて紹介している。現在の熱効率は約41%で燃焼エネルギーの六割近くが熱損失となっているため、熱損失の低減技術と廃熱を電気変換する廃熱回収の新技術などを組み合わせることで、2050年までに大形舶用ディーゼルエンジン並みの熱効率である55%となることを目標としている。またエンジン車の燃費改善や電動車の電費改善の観点から、エンジンやモーターの効率改善が進めば進むほど、暖房などに使っていた熱エネルギーが減少するため、車両空調システムのエネルギーの最小化に着目した熱マネジメントとシステム効率の向上を検討するべきである。 5章 将来の自動車販売台数を予測する 5章では、将来の自動車販売台数の予測を取り上げている。2015年時点における世界の新車販売台数は0.9億台で、保有台数は12.6億台、総CO₂排出量は約60億トンだった。以降、新車販売台数は堅調に拡大してきたが、2017年からの米中貿易摩擦や新興国におけるGDPの伸び率によって頭打ちとなった。そして、2020年は新型コロナ禍で販売台数は大きく落ち込み、7797万代にまで減った。著者は世界の自動車の販売台数が2040年に1.1億(下振れ)~1.3億台(上振れ)と見積もっているが、CO₂の削減に向け努力しても、すぐに温暖化の抑制効果が表れず、自然災害の多発や新たなパンデミックの発生は容易に想像でき、新型コロナ禍以前の販売拡大に戻るには3~4年を要すると予想しているため、1億1000万台を想定することが現実的であると主張している。 6章 自動車の全方位開発と燃料/エネルギーのグリーン化を同時進行で加速すべし 6章では前章で取り上げた新車販売台数予測の下で、2010年比で2030年にCO₂を45%削減できるシナリオとグリーン燃料(微細藻類バイオ燃料や合成液体燃料e-fuel)の必要量についてまとめられている。xEV(電動車)は技術の完成度(航続距離や質量、コスト)と、LCA(原材料の採取から最終的に廃棄またはリサイクルするまで、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の評価のこと)を踏まえたCO₂の低減率、インフラ整備の状況などを総合的に鑑みて、HEV,PHEV,EV,FCVの優先順位で導入しCO₂の低減を図る。車両の軽量化ではハイテン材からホットスタンプ材、金属から複合樹脂や複合セラミックなどへの材料置換を考慮しCO₂の削減を図る。エンジン車では各種の技術改良や環境性能の良い48V電源部品を使った簡易ハイブリッドシステム(48Vマイルドハイブリッドシステム)を全車に搭載することで30%のCO₂削減を図る。エンジン用の燃料は2030年までに2020年時点での石油消費量である21.5億トンの23%に相当するカーボンニュートラル燃料をガソリンあるいは軽油に混合し、既販車のCO₂の削減を図る。 7章 やはりHEVが「現実解」 7章では、HEVに関する事例を紹介している。2030年までにトヨタ自動車は単独で保有する2万3740件の特許の無料提供を行った。背景には技術的な問題で日本以外の自動車メーカーはHEVを造れないためHEVの普及を加速させるというという考えである。また世界の排出ガス規制においてのHEV外しをやめさせる狙いもあるようだ。 8章 自動車業界を震撼させたディーゼルゲート 8章では2015年にドイツのVolkswagen(フォルクスワーゲン)が起こした排出ガス不正問題であるディーゼルゲート事件についてまとめている。不正が起きた背景としてガソリン車と同様にディーゼル車も排出ガス規制が強化される中で、規制に対応するには技術的に難易度が高く、ここに排出ガス浄化システムの開発費や部品コストが上乗せされ車体価格が高くなってしまうことや燃費の経済性が良くても元が取れないことを挙げている。筆者は、今回の事件は世界一の販売台数を達成するという利益優先の目標となってしまったことが最大の要因であったと考え、自動車を売るうえで本来企業が目指すべき顧客のため、社会のために貢献するという部分をおろそかにしてはいけないと主張している。 本書を通して、EVは環境にやさしいからと上辺だけで判断しEV一辺倒の政策を行うのではなく、技術的な問題などについてより踏み込んで考えなければならないと感じた。EVにシフトチェンジしなくてもHEVを導入することや、グリーン燃料を使うことの方がよりCO₂を削減していくことができるため、EVに傾注しすぎるのはよくないと理解できた。次は自動車関連以外の脱炭素などのエネルギー問題についても理解を深めていきたいと思う。
タートルグラヒィックス
import turtle turtle.color(‘blue’,’yellow’) turtle.speed(20) turtle.begin_fill() while True: for k in range(0,360,20) if k<=70: turtle.forward(100) turtle.right(90) turtle.left(170) turtle.end_fill() turtle.done()
日米豪印 水素•アンモニアで技術開発 対ロは踏み込まず
日米豪印の4カ国の枠組み「Quad(クアッド)」は13日、オーストラリアのシドニーで初のエネルギー相会合を開いた。燃料として使う際に二酸化炭素(CO2)が出ない水素やアンモニアの活用に向けた技術開発を進めることで一致した。またクリーンエネルギーに関するサプライチェーンを強化し、エネルギー安全保障を確保することの重要性も確かめた。ロシアへの対応に関しては踏み込んだ議論はなかったが萩生田光一経済産業相は米豪との個別の会談では、液化天然ガス(LNG)の増産や安定供給に向けた協力を求めた。 2022/07/14 日本経済新聞 朝刊 5ページ
原発冬に最大9基稼働 首相表明
岸田文雄首相は14日、首相官邸で記者会見し原子力発電所を今冬に最大で9基稼働すると表明した。国内消費電力のおよそ1割に相当する電力を確保する。電力会社が再稼働を申請した原発は25基あるが現在稼働しているのは5基にとどまっている。首相は再稼働に向け「国が前面に立ち、立地自治体など関係者の理解と協力が得られるよう粘り強く取り組む」と意欲を示した。また再稼働した場合「ピーク時に余裕を持って安定供給を実現できる水準を目指す」と強調した。 2022/07/15 日本経済新聞 朝刊 1ページ
東京ディズニーリゾート 最繁忙期に値上げへ
東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドは2023年度の「ディズニーシー」の大規模拡張を機に入園チケットの変動価格幅を拡大する。現在は時期に応じて7900~9400円の間で500円刻みに4段階で変動するが、最安値を維持しながら価格の幅を広げる方針だ。新型コロナの時短営業や入場制限で来園者を減らしたことが、結果として客単価と利用者の満足度向上につながったことが背景にある。吉田社長は「東京は値上げの余地がある」とし、繁忙期などの値上げを検討する。 2022/07/11 日本経済新聞 朝刊 11ページ