脳死問題の本質

 脳死の問題には脳が正常なら生きている、心臓が動いているなら生きているなど命のありかについての倫理的な問題が存在する。しかし問題の本質的な部分は臓器移植の問題に直結しているといえる。脳死の判定そのものがその後の臓器移植を行う場合に行われるからだ。ではその脳死問題の利点と欠点は何なのか。
 利点としてあげられることは脳死の状態でのみ移植できる臓器が心臓を始めとして数多く存在するからである。これにより今までは救うことが出来なかった命が救えることになる。
 欠点としては臓器移植目的で死の基準が早まるおそれがあること、家族の同意があれば本人の同意なしに移植が行われる可能性があることである。特に本人の同意なしに移植が行われることについては脳死での臓器移植賛成派からも慎重論が根強い。
 以上のようなことが脳死問題の論点とされていることである。日本で脳死が法的に認められてからまだ数年、賛成派も反対派も今後の動向を注視しなくてはならないだろう。

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