2020年時点での地熱発電の世界累計容量は15,945MWで、稼働中のユニット数は680基である。主な発電方式としてはシングルフラッシュ発電が設備容量全体の40%を占め、次いでバイナリー発電が20%、スチーム発電も20%程度を占めている。ユニット数ではバイナリー発電が約50%を占め、近年はバイナリー発電の成長が著しく、より低温での地熱利用に適した発電方式へのシフトが見られる。
地熱発電ユニット数が多い国には米国、日本、インドネシアがある。日本は地熱発電所数で世界上位にあり、特に10,000㎢あたりの地熱発電所数では1位だが、平均設備容量は小さく、さらなる拡張の余地がある。インドネシアでは平均設備容量が190MWと突出しており、同国の地熱利用への積極的な姿勢が表れている。また、2000年以降、バイナリー発電が主流となり、ドライスチーム発電やダブルフラッシュ発電の新規開発は減少傾向にある。
近年では非火山国地域でも地熱発電が広がりつつある。ドイツやトルコなどの非火山国ではバイナリー方式が100%採用されている。これらの地域では地中温度が低いため、バイナリー方式が適しており、バイナリー発電は地熱発電の新たな可能性を広げている。
さらに、2000年代には地熱開発が停滞した国も多かったが、再生可能エネルギーへの関心が高まる中で、地熱発電は持続可能なエネルギー源として再び注目されている。
http://bionews.i.hosei.ac.jp/bionews/wp-content/uploads/2024/10/小山弘.-2016.-地熱発電の仕組みと動向.-電気設備学会誌-366-384-387..pdf