地熱発電は、地中の高温熱源を利用して発電する再生可能エネルギーの一種である。地熱エネルギーは気候や天候、昼夜に左右されず、安定した電力供給が可能である。また、地熱発電の設備利用率は約70%と、風力(20%)や太陽光(12%)に比べて非常に高く、安定的かつ効率的な電力供給が特徴となっている。さらに、地熱はエネルギー密度が高く、ライフサイクル全体での二酸化炭素排出量が少ないため、地球温暖化対策としても有用である。
地熱発電には「フラッシュ方式」と「バイナリー方式」という2種類の主要な方式が存在する。フラッシュ方式は、地中からの蒸気と熱水の混合流体を分離し、蒸気のみをタービンに導いて発電を行うが、一部の地熱流体は大気中に放出される。一方、バイナリー方式は、地熱流体を外部媒体と熱交換し、その蒸気でタービンを回すことで発電を行い、地熱流体のほとんどを地下へ還元する方式である。この方式により環境への影響を最小限に抑え、持続可能なエネルギー利用を実現している。
日本は地熱資源が豊富でありながら、世界の地熱発電容量の約4%しか占めていない。地熱発電の普及には経済性や環境規制、温泉事業との共存が課題となっているが、2012年以降の再生可能エネルギー促進政策や環境規制の緩和により、地熱発電のさらなる導入が期待されている。
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