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作成者別アーカイブ: 田中 麻帆
流通企業 スタートアップ企業と連携
スタートアップ企業が大手商業施設や小売店の売り場改革の切り札として台頭している。空席情報配信サービスのバカンは、商業施設に入る飲食店の混雑状況を解析し、電子看板に表示するサービスを提供している。各店に設置したセンサーやカメラを利用し、高島屋横浜店に納入している。また、ネット通販サイト構築支援のBASEは、利用企業に丸井グループへの出店機会を提供している。流通各社にとって店舗効率の向上は共通の課題であり、柔軟な発想力や技術を買われたスタートアップ企業が事業活性化に欠かせなくなっている。 日本経済新聞 7月2日 11面
スタートトゥデイ 自動採寸でオーダースーツ設計
スタートトゥデイは3日、衣料品のプライベートブランド(PB)でフルオーダーのビジネススーツ事業に参入することを発表した。オーダースーツは消費者に無料配布する自動採寸用ボディスーツ「ゾゾスーツ」で計測して作る。ゾゾスーツに貼り付けたマーカーをスマートフォンのカメラで360度撮影し、3Dデータから肩の傾きなどを読み取りオーダースーツを設計する。スタートトゥデイは、独自の自動採寸技術で消費者の支持を集めることを目指している。 日本経済新聞 7月4日 15面
所有者不明土地 権利放棄制度作り始まる
民間の有識者会議が25日に議論を始め、一定条件の下で所有権を放棄させることを可能にする制度作りが動き出した。会議では、放棄地を管理する受け皿の公的機関を作る案などが浮上した。所有者不明の土地は、放置すれば累計で約6兆円の経済損失が生じると試算されており、政府は、長期間放置された土地を所有権放棄したとみなす制度や、所有者が管理できない土地の所有権を自主的に放棄できる制度を検討し、20年までに法整備を目指しているが、難題や論点が多く紆余曲折ありそうだ。 日本経済新聞 2018年 6月26日 7面
パナソニック 民泊事業参入
パナソニックは民泊事業に参入することを決めた。背景として、15日に施行した住宅宿泊事業法(民泊新法)でルールが整備され、今後市場が広がると予測されることがある。まず東京と大阪で10棟程度建築し、1人当たり5千円で貸し出す。住宅設備機器は基本的にすべてパナソニックブランドの製品にそろえ、使い心地を体験できるショールームとしても活用する。政府は2030年に6千万人の訪日客を見込んでおり、民泊を通じて海外での家電の売り上げ拡大につなげる考えだ。 日本経済新聞 2018年6月26日 4面
サンリオ キャラの力底上げ
サンリオが組織的にキャラクターのマーケティングに取り組み始めた。新設されたマーケティング本部では木村真琴氏をスカウトし、サンリオのキャラクターが入った商品を消費者がどんな気持ちの時に買うのかを議論している。木村氏はキャラクターが価値を高めそうな商品を見出し、サンリオから企業に採用を提案するような構想を練っている。2019年3月期の業績は苦戦を予想しており、「キャラクター力」の底上げが急務になっている。 日本経済新聞 6月13日 13面
エアビー 無許可民泊予約キャンセル
民泊仲介世界最大手の米エアビーアンドビーは7日、許認可のない民泊施設の15日以降の予約を順次取り消すと予約者や家主に通知した。エアビーによる突然のキャンセルは、観光庁が新法での届け出予定などがない施設の予約取り消しなどを仲介各社に求める通知を1日に出したのがきっかけだ。クリストファー・へレイン公共政策責任者は「既存の予約は有効との許可をもらえると考えていた。」としたが観光庁からの理解は得られず、企業と政府の溝が深まっている。 日本経済新聞 6月13日 17面
シャープ パソコン事業再参入
シャープが台湾の鴻海精密工業の傘下入りして8月で2年を迎えるのを前に、成長戦略を打ち出した。5日には東芝のパソコン事業買収と公募増資を軸に最大2千億円の資金を調達することを正式発表した。シャープは「メビウス」ブランドで展開していたパソコンから2010年に撤退したが、この度パソコン事業を手掛ける東芝子会社の株式80.1%を10月をめどに取得し、パソコン事業に再参入する。シャープは買収後も「ダイナブック」ブランドを維持し、鴻海の圧倒的な部品調達力と生産力で収益化する戦略だ。 日本経済新聞 6月6日 朝刊
受動喫煙対策、法案成立か
受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案が終盤国会の焦点に浮上してきた。公明党が今国会での成立を自民党に要請し、両党が成立を目指す方針で一致した。健康増進法改正案は、飲食店などを原則禁煙とし客席面積が小さな店舗や個人経営の既存店が標識を掲げれば喫煙を認める内容だ。日本の受動喫煙対策は、世界保健機関(WHO)の4段階の基準で現在最低ランクだ。与党は2020年の東京五輪・パラリンピックを前に、法案成立を急ぐ必要があると判断した。 日本経済新聞 6月6日 14面
ビックデータと人工知能 P48~58 要約
人工知能は切り札となるか? 近年、「人工知能が賢くなった」と喧伝している。チェスや将棋や囲碁のチャンピオンと人工知能を闘わせ、コンピュータが人間に勝ったと騒いでいるのはその典型である。が、「人工知能が進化して、人間より賢くなった」というのは誤りである。大切な点は、チェスや将棋を指すとき人間とコンピュータとでは問題解決のアプローチが全然違うことである。天才棋士は経験に基づく直感的ひらめきから、盤面の全体的展開を読んで指し手を決めるが、コンピュータは有利な局面に到達するための膨大な道筋を高速計算で調べ上げ、それらを比較して最高評価値の指し手を決める方法が基本となっているのである。人間とコンピュータの問題解決法として、情報処理の仕方が根本的に異なるのである。 しかし、人口知能が近年賢くなったといわれるのは、人間との試合に勝ったからではなく、画期的な技術的ブレイクスルーがあったとも考えられる。 興味深いのは最近の人口知能が「データ量が増すと、性能が向上する」点だ。コンピュータは論理処理を行う機械であるため、データ量が増すと処理能力は低下するのが普通だが、逆だとすれば人工知能が切り札となる期待が膨らむのである。 論理機械と第一次AIブーム 人口知能は1956年に米国で開かれたダートマス会議から始まったといわれている。「人間のように思考する機械」を夢見て1940年代半ばに作られた機械がコンピュータである。 高速で論理処理を行う機械がコンピュータなのだが、その作動が人間の思考活動に等しいとはどういうことなのだろうか。中心となったのはダーフィット・ヒルベルトである。ヒルベルトは、対象を記号で表し記号を論理規則に基づいて形式的に操作することによって、対象についての正確な知識が得られる、という「記号計算万能」という論理主義的な発想に基づいてコンピュータを作ったのだ。このような論理主義の時代精神を基にコンピュータは生まれた。コンピュータは数値計算だけでなく、公理を論理的に組み合わせ、様々な定理を自動的に証明することができる。人工知能の草分けたちはその先に「人間の一般的な問題を解決する機械」の誕生を夢見たのである。 とはいえ、挫折はすぐに訪れる。広大で錯綜した現実世界に応用しようとすれば、論理だけではとても太刀打ちできないのである。
「共生社会ホストタウン」登録 進むまちづくり
鈴木五輪相は29日の閣議後記者会見で川崎市、大分市など7件(8県市)を「共生社会ホストタウン」への追加登録を発表した。東京パラリンピックをきっかけに、自治体が障害者や高齢者に配慮したUDを取り入れた街づくりを進めている。登録自治体による障害者スポーツ体験会などのかかった費用の一部は国が負担する。また、各省庁が用意する補助事業も紹介する。内閣官房は当面、自治体からの応募を受け付ける。市障害福祉課の担当者は「すべての人が支えあう共生社会をパラリンピックのレガシーとするために自治体の取り組みをサポートしていきたい」としている。 日本経済新聞 2018年5月29日 10面 夕刊