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ChatGPTの進化と懸念点

米新興企業オープンAIは24日、対話型AIのChatGPTに新たな音声機能を追加したと発表した。日本語を含む50以上の言語に対応し、人に近い反応速度で会話できる。声色や話す速度から利用者の感情を読み取り、会話の内容を相手に合わせることができる。しかし、音声を扱うAIについては、文章だけを生成する場合と異なるリスクがあると指摘される。 2024/09/25 06:01 日経速報ニュース

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書評 「生成AIスキルとしての言語学」

書評 「生成AIスキルとしての言語学」 本書の著者である佐野大樹はオーストラリアで言語学の博士号を取得したのち、国立国語研究所という日本語や社会における言葉の実態を科学的・総合的に研究する機関に、言語学者として所属していた。現在は機械と人のコミュニケーションのスペシャリストとして、生成AIの開発に従事している。本書では、著者が専門としている言語学という視点から生成AIをとらえ、その能力を自分の目的に合わせて引き出し、生成AIとの対話を広く、深くするための一手段として、「生成AIスキルとしての言語学」が紹介されている。 第一章 生成AIとは何か。人同士の対話と生成AIと人との対話の相違点は何か。 第一章では、そもそも生成AIとはどのようなものなのか、生成AIとのやり取りは人同士の対話とどこが異なるのかについて取り上げている。 人工知能の歴史が1950年代に始まって以来、レントゲン写真やMRI画像、Siriといったさまざまシステムが人工知能を利用して開発されてきた。しかし、人と同じようなレベルでテキストや画像を生成できたものはこれまでなかった。さらに、これまでの人工知能は専門知識やプログラミングスキル、データなしでは自分の目的に応じた活動を人工知能に実行させることができなかったのに対し、生成AIとのコミュニケーションではそれらが必要とされることがなく、我々人間が日常生活で使っている自然言語を使用する。生成AIの特徴の一つは、専門的な知識がなくとも、自然言語を使って、情報を処理したり、アイディアを表現したりとさまざまな用途に活用できることである。 生成AI は、入力されたテキストを深く理解し、それに基づいた新しいテキストを生成する能力を持つ。このシステムはトランスフォーマーと呼ばれ、それを根幹として大量のデータから言葉の使われ方を学習し、回答を生成している。 人が対話の目的として言葉を選択している一方で、生成AIはデータから学んだパターンに基づいて会話を生成しているという違いがある。それに加え、人とのコミュニケーションでは頻出する個人間で共有されている経験によって特別な意味を持つような表現が、生成AIとのやり取りには存在しない。 第二章 言語学とは。なぜ言語学が生成AIと対話するのに活用できるのか。 第二章では言語学がどのようなものか、そして言語学が生成AIとの対話に生かすことができる理由について触れられている。 言語学では元来、人と人とのコミュニケーション手段として言葉についての研究を行ってきた。言葉の機能、構造、意味、語彙、文法、語用、習得過程などさまざまな側面から、言葉の本質について思考するのが言語学という分野である。言語学が生成AIとの対話に活用できるのは、第一章でも触れられていたように、生成AIとのコミュニケーションが形式言語でなく自然言語で行われるから、また、どのように指示や質問を表現するかによって、生成AIの知識やスキルをどこまで生かせるかが変わってくるからである。 主にイギリスやオーストラリアを中心に発展してきた言語理論であるSFLでは、言葉の機能には、経験を解釈する機能、対人関係を築く機能、情報・考えを整理して会話や文章として形成する機能の三つがあるとされている。この考え方が、指示や質問を生成AIに伝えるうえでの言語機能、生成AIが作成した回答を解釈する上での言語機能、生成AIと共同作業で作成したものを人に伝えるうえでの言語機能、これらを考慮するのに利用できると述べている。 第三章 生成AIとの対話の目的。プロンプトの構造。 第三章では生成AIとの対話の目的と、生成AIに指示や質問をする場合、プロンプトはどのような構造をしているのかが説明されている。 生成AIとの対話の目的には、大きく分けて、情報やアイディアを理解する、情報やアイディアを表現する、考えを分析・整理するといったものがある。 指示や質問を生成AIにする場合、プロンプトに含める必須の要素が指示や質問の説明である。また、対話の目的に応じて指示や質問以外にも、状況設定や様式の選択、例の提示をプロンプトの構成要素として選択する。 第四章 状況設定。 第四章では、第三章で挙げられたプロントの構成要素のうち、状況設定に焦点を当て、状況設定をプロンプトに入れ込むことで、生成AIの知識やスキルをどのように引き出すことができるかが概説されている。 状況設定は言語学でコンテクストとして扱われる。コンテクストを説明する概念の一つに、状況のコンテクストと呼ばれるアプローチがあり、このアプローチでは、会話や文章に影響を与えるコンテクストの要素として、フィールド、テナー、モードの三つがある。                一つ目のフィールドは、コンテクストで何が起こっているのか。どのような出来事が起き、どんな人・物が出来事に関与しているかを表す要素。フィールドを説明することで、生成AIとの対話の内容を、より自分の目的に合致したものにすることができる。二つ目のテナーは、コンテクストにおいて、だれがどのような立場・役割を持っているか、立場・役割は当該のコンテクストに限定されるものか、それとも、それ以外でも役立つ役割かを表す要素。テナーを説明することで、生成AIとの対話の専門性、視点などをコントロールすることができる。三つ目のモードは、コンテクストにおいて、言葉がどのような役割を果たすのか。役割に応じて、どのような言葉が形成されるのかを表す要素。モードを説明することで、生成AIに目的に合ったかたちで回答を構成させることができる。 第五章 指示/質問の説明 第五章では、指示/質問の説明は、生成AIがどのように回答を生成するかを誘導するうえで重要になるということを、発話機能と論理‐意味関係という知見を使って説明している。 指示や質問は、言語学では発話機能の種類として扱われる。発話機能の知見に基づくと、指示は「物・サービスを要求する発話」、質問は「情報を要求するための発話」と定義できる。自らが求める回答を生成AIに導き出してもらうために、指示・質問の説明が重要になってくるわけだが、そこで活用できる考え方が論理‐意味関係である。論理‐意味関係は、指示や質問の一文だけからなるものではなく、指示や質問を主部として、それを補足する従属部との関連性を分析することに利用できる。論理‐意味関係には、主部と従属部の関係として、大きく分けて詳細化、増補、拡張の三つがあると考えられている。 詳細化の関係は、従属部が主部の指示や質問を言い換えたり、明確化したりするときに成り立つ。詳細化によって指示や質問を補足することで、生成AIが回答を作成する際に具体的に何を実行するかを誘導できる。 増補の関係は、従属部が主語に表された指示や質問を行う手段、条件、原因、時間や場所などを提示する場合に成り立つ。増補によって指示や質問を補足することで、生成AIがどのように、もしくは、どのような条件を考慮して回答を生成できるかを誘導できる。 拡張の関係は、主部の指示や質問に対して、従属部が何か追加したり代替案を提示したりするときに成り立つ。拡張によって指示や質問を補足することで、生成AIが回答を生成する際に、指示や質問をどのような手順で実行するかを誘導できる。 第六章 様式の選択。例の提示。複数のやり取りからなる生成AIとの対話。 第六章では、プロンプトの構成要素である「様式の選択」と「例の提示」が生成AIの回答にどう影響を与えるのか。また、生成AIとの対話を、一度のやり取りだけでなく、複数回続けることによる効果が記されている。 文体、会話や文章の形式、媒体、ジャンルといった様式の選択肢を生成AIに伝えることで、生成AIの表現、構成能力を引き出すことができる。例えば、ある料理のレシピを生成AIに質問する場合、食材や分量などを表形式で記してもらった方が、一つなぎの文章よりも見やすく、必要なものがすぐにわかるようになる。 また、例の提示をすることで、生成AIに状況設定や指示/質問の説明の内容をどう回答に反映したら良いかを伝えられる。例を一つだけ見しても回答が変わらない場合や、生成AIにさまざまなバリエーションを作成させたい場合は、複数の例を提示するなどの工夫によって違った回答を引き出すことができる。 しかし、指示や質問の説明や補足を行っても満足のいく回答を得られないときがある。そういった場合には、追加のプロンプトを送って、回答をより詳細化、増補、もしくは、拡張することが効果的である。 第七章 アプレイザル理論。言い換え。 第七章では、これまで紹介されてきた知見を組み合わせて、生成AIの使い方をさらに広げ、深めるような、少し発展的な用途が二つ紹介されていた。 一つは、評価をほかの人に伝える前に、自分の評価の表し方を見直すという用法である。ここでは、言語学で機能言語主義的立場から提案されたアプレイザル理論の考え方が用いられる。アプレイザル理論では、評価について特に次の四つを考える。①どの表現が肯定的な評価、もしくは、否定的な評価を表すか。②何を対象とした評価か。③直接的な表現を使っているか、間接的な表現か。④どのような評価基準を示す表現が使われているか。この分析方法を活用して、聞き手・読み手に自分の評価を伝える前に、自分の評価の表し方を生成AIと一度整理することで、伝えたいことをちゃんと表すことができているのか、相手にどう伝わる可能性があるのか、他により効果的な評価の表し方はないかなど、第三者の立場で見直すことができる。 もう一つは、自分の評価の表し方を見直すのとは逆に、評価やフィードバックを誰かから自分が受け取る場合に、生成AIを活用する用法である。評価やフィードバックの中には、現状を改善していくために有用なものもあれば、逆に否定的な批判のみで、モチベーションを下げてしまうようなものもある。そこで、生成AIを使って、否定的な批判を建設的なフィードバックに言い換えてしまう方法が紹介されている。言語学で言い換えを扱うとき、含意という概念を使って考える場合がある。含意という考え方の便利なところは、与えられた文章や発話から、言外の意味まで推測できるようになることである。例えば、自分が提出した企画書に対し上司から否定的な批判を受けたとき、直接的に伝えられたことだけを解釈した場合、ネガティブな気持ちになってしまうことが予測される。そこで、生成AIにこの批判を「建設的なアドバイスに言い換えて」と伝えることで、未来志向なものに言い換えてくれる。 このように、生成AIとの対話を介して、自分が評価するときには、評価の表し方を見直し、評価を受け取るときには、建設的なフィードバックに言い換えることで、対人関係を良好なものにしたり、改善したり、モチベーションを取り戻したり、高めたりするのに活用できる。 本書を通して、言語学的知見を活用して生成AIと対話することで、生成AIの知識やスキルを引き出し、自分の目的に合った回答を引き出すテクニックについて学ぶことができた。また、身近な言葉を使って、日常的な場面から教育的な場面、ビジネスの場面など幅広い分野で、さまざま使い方ができるのが生成AIのすばらしい部分だと感じた。しかし、生成AIを使用する上で気を付けなければいけないことも多数あると思った。一つは、生成AIが作成する回答は、常に正確だとは限らないこと。もう一つは、生成AIに入力したデータがどのように利用されるのか確認すること。これらは人と人の対話にも当てはまることである。生成AIが何でも知っていると過信することなく、生成AIはあくまで我々のサポートをしてくれるパートナーであり、我々が対話における主導者であるという認識を持つ必要があると感じた。パートナーといっても、生成AIは、対話者の背景や目的を自ら察してくれるわけではないため、質問や指示の仕方を工夫する必要があり、その具体的な用法が本書では紹介されていた。私は、それではせっかく人工知能を利用しているのに逆に大変なのではないかという感想を最初は持った。しかし、生成AIと複雑なタスクを一緒に行う際、質問や指示をどう構成するのがよいかをプロンプトとして表現することも、自分の考えや目的を整理し、それを生成AIと一緒に達成する上で、重要なプロセスだと気づくことができた。生成AIを扱うときは生成AIの特徴や危うさを理解し、今回新たに得た言語学的知見を活かして、自らの目的に合致した対話をしたいと思う。

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合宿 本のタイトル

生成AIで世界はこう変わる 生成AIスキルとしての言語学 生成AI推し技大全 ChatGPT+主要AI 活用アイデア100選  

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JR 東日本グループ、生成AIシステムの導入

JR 東日本グループは、デジタル技術を活用した業務変革(DX)を推進している。これまで生成AIの試使用を社内で進めていたが、6月より社内向け生成AIチャットツールを全社員に展開した。JR 東日本独自の業務内容に回答できるよう、登録した社内文書に基づいて回答を生成する生成AIシステムの導入により、社内規定やルールなどの文書の効率的な検索など、全社的な業務効率化に役立てていく方針である。 2024/07/11 15:39 日経速報ニュース

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自動運転車向けの自動車保険の開発

銀行や生損保を傘下に持つソニーフィナンシャルグループ(FG)は自動運転車向けの自動車保険を開発する方針だ。ソニーFG傘下のソニー損害保険がソニー・ホンダに保険開発を視野に入れた人材を派遣し、自動運転技術を取り入れた電気自動車(EV)アフィーラの開発に携わる中で保険商品を検討する。自動運転車に対しても従来の自動車保険の枠組みで保険金を支払う想定をしている。 2024/07/17 日本経済新聞 朝刊 9ページ

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生成AIが与える半導体市場への影響

世界に浸透しつつある生成AIが、半導体市況全般を大きく押し上げている。生成AIに使う次世代品の需要が急増し、メモリーメーカーが通常品についても強気の値上げを進めた。生成AIの駆動に欠かせない半導体メモリーの一つ、DRAMの取引価格はこれまで下落傾向にあったが、大容量のデータを扱うデータセンター向けなどで需要が急増し、回復に向かっている。 2024/06/26 02:00 日経速報ニュース

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EVの充電サービス普及に向けて

中部電力ミライズ(名古屋市)は25日、電気自動車(EV)充電サービス「treev(ツリーブ)」のスタンド第1号を浜松市内の「ホテル ヴィラくれたけ」の駐車場で運用し始めた。年間2000基程度を展開し、2030年度末までに1.5万基の設置を目指す。専用アプリをスマートフォンなどに取り込み、電話番号やクレジットカード情報を登録後、充電スタンドに記されたQRコードをアプリで読み取れば利用できる。 2024/06/25 19:41 日経速報ニュース

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中国、AI搭載の運転支援機能付きEV

中国スマートフォンメーカーの小米(シャオミ)は2025年までに、電気自動車(EV)の運転支援技術の開発者を現状の2倍の2000人に増やす。スマホなどの既存事業で培ってきた人工知能(AI)の技術を生かし、運転支援機能を進化させる。3月に発売したEV「SU7」は小米製スマホとの接続性が優れ、デザイン性の高さや航続距離の長さから人気を集めている。しかし、現在の中国の法律ではハンドル操作や加減速をサポートするレベル2までしか許されていない。 2024/06/11 14:21 日経速報ニュース

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国税のキャッシュレス納付普及拡大

常陽銀行は国税のキャッシュレス納付普及拡大への貢献に対し、関東信越国税局から感謝状を授与された。源泉所得税や法人税など国税については電子納税が可能になっており、同行は納税のために来店した顧客に、キャッシュレス納付の利用を促すなどしてきた。その結果、2023年度に金融機関や税務署等の窓口に行く必要がない納税システム「e―Tax」を使って国税が納付された件数は約7万件と、3年前(20年度)の約2.3倍に増加したという。 2024/06/06 日本経済新聞

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EU、環境対策三法が成立

欧州連合(EU)の加盟国からなる閣僚理事会は27日、環境対策を進めるための3法案を承認し、成立した。アパレル事業者に対し、売れ残った衣料品の廃棄を禁じ、太陽光発電など再生可能エネルギーに関する製品には生産目標を定める。また、企業が排出するメタンガスの削減を推進する法律も成立した。石油やガスを輸出する企業に、EUが課す排出基準を満たしていることの証明を義務付ける。企業は自社が排出したメタンの量を測定し、EUに報告する。 2024/05/28 18:51 日経速報ニュース

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