ケーススタディ

日本の観光地を外国人が発信し魅力を広めた事例として、北海道のニセコ地域が挙げられる。当時北海道ニセコ地域は冬のスキーによる観光しかなかったが、ロス・フィンドレー氏の活動により、ニセコ地域の通年型アウトドア体験観光が実現された。

ロス・フィンドレー氏は1992年にニセコに移住し、ニセコの自然環境の素晴らしいこと、そしてニセコの夏のレジャーがないことの状況から、同乗するツアーガイドの指示に従うだけで技術や知識を必要としないラフティングに着目。1995年にNAC(ニセコアドベンチャーセンター)を設立し、事業化に取り組んだ。ロス・フィンドレー氏は事業化にあたって、ラフティングツアーの安全性を高め、また、4月中旬から10月末まで春・夏・冬の各シーズンを楽しめるようにするため、ツアー客に防水機能の高いドライスーツを着用させた。

ロス・フィンドレー氏が始めたニセコの自然を利用したアウトドアスポーツ事業は、ニセコ地域に体験観光を満喫できるという新たな魅力を付加した。このことにより、スキーやスノーボードをメインとする冬の観光が中心であったニセコ地域は、夏になっても道内外から観光客、修学旅行生が訪れるという通年観光が実現することとなった。

2002年度のニセコ地域への観光入り込み客数は、年間466万人となっている。ロス・フィンドレー氏がNACを設立した1995年度には421万人だったことから、45万人の増加となっている。冬季4か月(12~3月)のスキー等を楽しむツアー客が171万人から159万人へと落ち込んでいることを考えると、春から秋にかけてラフティング等を楽しむツアー客の増加がいかに大きいかが伺われる(251万人から306万人と55万人の増加)。

https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/jinzai/charisma/mr_findlay.html

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